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disjunctiveさんの人気コメント: 投票数順(19/35)

人気コメント投票者
★4ヤクザと家族 The Family(2021/日)ナルシストというヤクザの一類型を形態模写する舘ひろしの声から気品が抜けず、挙措がヤクザというよりホストに準じるために、平成編の彼は、オリヴェイラ映画のマルコヴィッチのように画面に佇むだけで爆笑を誘う稀有な事態をもたらす。  [review]けにろん[投票(1)]
★4透明人間(2020/米=豪)キャスティングがよくわからない。なぜエリザベス・モスなのか。そこまで彼女に執着するこの男の趣味は何なのか。中盤の手前でモス自身「なぜわたしなの?」とメタ発言をやってしまうほどである。 [review]ゑぎ[投票(1)]
★4ヒーローショー(2010/日)愚者ならぬ語り手には愚者の処遇がわからない。社会化する私闘の加速感は、愚者を扱いかねるゆえに頓挫する。勝ち組の後ろめたさが、愚者に対する決定的な行為をためらわせる。愚者はその配慮に負の意味で聖別された自分を見出し高揚する。緑雨[投票(1)]
★3愛のむきだし(2008/日)70年代ポップカルチャーの解像度が社会時評を扱いかねる。昭和のラブコメが始まるように筋が記号に振り回され、その遠心力に耐えきれず内容が脱落する。罪を作らねばならぬほど男には罪の実体がなく、コリントを引用して糾弾されても非難の謂れがわからない [review]寒山拾得[投票(1)]
★4DUNE/デューン 砂の惑星(2021/米)新宗教に依存する妻。信仰に冷淡な夫。息子が母の熱狂に巻き込まれる。核家族の孤独は遠景と近景の質感を対峙させる。ホームドラマが近景の造形物を風雲たけし城へと矮小化してやまない。 [review]ゑぎ[投票(1)]
★4映画 ビリギャル(2015/日)この人にはもともと素質がある。父母と弟の方がよほど人生の課題を抱えている。文明を知るうれしさは、他者が自分の才能に未来を託そうとする貴き外圧へと変わり、有村架純が才能という宝くじを単に引いた話では終わらない。 [review]ゑぎ[投票(1)]
★4パフューム ある人殺しの物語(2006/独=仏=スペイン)叙述はあくまで男に寄り添う。受け手には、ストーキングに着手した段階で男についていけなくなる。香りには感触がない。一方で場景は物体で溢れかえり、男のいら立ちは募る。課題は、形ないものが物体化する矛盾の探求である。香りに触れたいのである。 [review]DSCH[投票(1)]
★4愛しのアイリーン(2018/日)ヒロインの内面が字幕でダダ洩れて、受け手は否応なく第三者の視点を強いられる。誇張された人物と事件の連なりは、人物と受け手の間に出来る距離感によって筋をブラックコメディそのものにする。 [review]DSCH[投票(1)]
★3生きてるだけで、愛。(2018/日)仕事に支障の及ぶ過眠に際して根性論を持ち出すのはネグレクトだろう。それでもなお根性を貫く意味は何か。受難によって自分を特権視した人間が人を脅し始める。これもまた典型的な症例である。特異なのは菅田将暉のシャーマニズムのような対応だ。 [review]DSCH[投票(1)]
★4デトロイト(2017/米)この密室スリラーは基本的に八百長であり悲劇は偶然に依存している。そして偶発はスリラーになりえない。作者は現場レベルの正義の担保に興味があり、市警と州警察と州兵のパワーバランスの中で各々がキャラ立ちを果たし、加害者のストレスに話は傾斜する [review]ぽんしゅう[投票(1)]
★4バッド・ジーニアス 危険な天才たち(2017/タイ)これでは格差の批評が成り立たないではないか。太い実家のクラスメートと対置しても、学力が高すぎるために、秀才組にも先天的要因の介在が見えてしまい、メリトクラシーを貫徹できなくなる。 [review]ぽんしゅう[投票(1)]
★4アンダー・ザ・シルバーレイク(2018/米)男の内面が受け手には見えてなかったと判明する類の話であり、見えないものを見えてるつもりにさせる、つまり無意識に形式を与える作業は筋の運びを類比的にせずにはいられない。 [review]DSCH[投票(1)]
★4アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル(2017/米)途中で物語の進行が友人ポール・ウォルター・ハウザーに依存し、薄弱なるものへの憎悪とそれが退治される懲悪の心地よさが、格差や文化資本の問題を無効にする。ハウザー退治の後は消化試合となり、後日談では悪友から解放された安堵が広がる始末である。緑雨[投票(1)]
★4フリー・ガイ(2021/米)人間よりもAIの動機がはるかに強い。彼らは生死を脅かされている。事件の端緒は恋を覚えたAIに発している。AIを現実の踏み台にしたのは誤りだろう。作者がAIの恋に気をやった痕跡はあるが、解法が見つからなかったのか、その顛末は投げ出しに近い。 [review]ロープブレーク[投票(1)]
★4君の名前で僕を呼んで(2017/伊=仏=米=ブラジル)状況だけに好意の物証を追及する情熱は、背徳のスリラーを景物映画で展開する越境を志向する。関係の逆転に伴って、背徳感は性欲一般に備わる喜劇性に代わり、結末の傷心を緩和すると思う。 [review]ゑぎ[投票(1)]
★4連合艦隊(1981/日)男たちの大和』がプライベート・ライアンならば、こちらはポセイドン・アドベンチャーの趣で、個々人の生存の可否に受け手の興趣を賦活させる手管に優れる。財津&中井親子の長生きネタなどは、論理志向が過ぎてブラックヒューモアに近い。 [review]ぽんしゅう[投票(1)]
★4王将(1948/日)筋はつながらない。技術力がカットはつなげてしまう。阪妻の不可解な情熱は技術の例化なのだが、偶然以外に阪妻と交信する術のない水戸光子は宗教的情熱という放心に至り、頻度ないし霊感に交信を賭ける。 [review]寒山拾得[投票(1)]
★4さらば愛しき大地(1982/日)80年代の豊饒が場末感を許さないから、叙法はスコセッシ&レオ的なドラッグムービーに似てくる。それは好ましい皮相であって、悲惨を餌食としはしない高潔が、矢吹二朗という俳優の実存論になっている。けにろん[投票(1)]
★4遠雷(1981/日)田植え、介護等々、永島敏行が徳の実践を重ねる程に、かえってアタラクシアの危うさが喚起される。モンテーニュによれば、もっとも美しい生活とは奇蹟も異常もない生活であるそうだが、 [review]寒山拾得[投票(1)]
★4浪人街(1990/日)江戸東京博物館の常設展示的バロックというべき意匠の欠如。それをまとめ得る田中邦衛の悲劇が、勝新の諦観をミスリードする遠心力に巻き込まれる。劇の構造はぼやけ続け、死に花を咲かせと自己顕示欲が互いを包含する。けにろん[投票(1)]