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寒山拾得さんのコメント: 投票数順

★4そよかぜ(1945/日)庶民の希望の出発点として紹介されるには恥ずかしいようなレベルの物語だが、「りんごの唄」には圧倒される。過剰に意味づけされた、逃れられない、ある意味重い歌謡映画。GHQは古典的な女性像や三平加藤精一のキャラはOKだった訳ね。[投票]
★4黄金の馬車(1953/仏=伊)素晴らしく流麗。奥行きを重視したスタンダードサイズの完璧な活用。御噺は宝塚程度、年増女優がモテモテになるという仏映画の悪い癖は我慢すべし。 [review][投票]
★3全身小説家(1994/日)全身で煙に巻いた小説家という感想。 [review][投票]
★4兄いもうと(1936/日)庭から望まれる土手の上の地蔵さんがいい。みんな見ているよ、という。 [review][投票]
★3小島の春(1940/日)純粋な映画的感受性というやつはプロパガンダにコロッと騙される。そのよい実例。 [review][投票]
★4女経(1960/日)市川崑の第二編が秀逸。ナンセンスな導入も望遠多用の室内撮影もお気楽な収束もみな見事、彼のよい処ばかりが出た代表作だろう。 [review][投票]
★3宮本武蔵 完結篇 決闘巌流島(1956/日)村人に逃げろと告げる武蔵にはすでに何の魅力もない。八千草と岡田の対決などアホらしく、武蔵ってモテたんだなあというどうでもいい感想しかわかない。ただ決闘の件は美しく、ここだけは吐夢武蔵より凄い。[投票]
★3続宮本武蔵 一乗寺の決斗(1955/日)「人切り包丁は磨げぬ」と研師に断られ、怒りながら一町歩いて引き返し、研師に教えを乞う武蔵。この件が抜群にいい。ニヒルな鶴田浩二の珍しい饒舌がいい味出しているが、一乗寺の決戦の実況中継は馬鹿馬鹿しい。[投票]
★3宮本武蔵(1954/日)内田吐夢はこの稲垣武蔵を確実に参考にしており、彼の武蔵は撮影にギミックを、視点に統一を、物語に哲学を加えている。本作は比べると大人しく平凡。腹這いに綱引く八千草薫は絶品。[投票]
★4夕やけ雲(1956/日)中学の時いじめていた同級生が魚屋の娘だったと思い出した。剃髪して懺悔すべきだ。久我美子だけ取り上げたら松竹ヌーヴェルバーグになるという先取り感がさすが。「今日お兄ちゃんと寝る」が泣かせる。[投票]
★2海の花火(1951/日)名優だらけのクレジットを見て覚える不安が的中するお正月映画系エピソードつまみ食い群像劇。笠智衆の苦労か山田五十鈴津島恵子の変態をもっと深堀りするべきだ。これでは俳優がかわいそう。[投票]
★2修羅雪姫(1973/日)もっと積極的に空疎ならいいのだがなまじっか教訓が加えられる辺りが鬱陶しい。硝子の破片を砕く梶芽衣子の仕草が可愛く西村晃の破戒僧は興味深いがそのくらい。[投票]
★5婦系図(総集編)(1942/日)何んて瑞々しいフィルムなんだ。緑波の捻じ込み辺りから後はもう痺れっぱなし。マキノも三浦光雄も五十鈴も箆棒に凄い。対抗馬はもう『残菊物語』しか思い浮かばない。ロシアに行ったら完全版が観れるの? [review][投票]
★3ジミー、野を駆ける伝説(2014/英=アイルランド=仏)史実には敬意を表したいが、映画は漫然として捉え処なく、予想通り展開するのを確認するばかり。山本薩夫並の面白さを求めるのは無い物ねだりか、でもローチも現代劇ではそうするじゃない。彼の史劇は渋過ぎる。[投票]
★2鬼火(1963/仏)一面的な人生観しか持てない主人公の、最後の放言で明らかになるナルチシズムが無惨。取り囲むスノッブ連のなかでも一番馬鹿なのは主治医で、依存症患者を病院から放り出す当時の医療レベルが嘆かわしい。 [review][投票]
★3レイジング・ブル(1980/米)前半と後半の繋がりが悪く、詳述すべき処をすっ飛ばすものだから印象散漫。役者は好演で芹明香似の奥さんが印象的。 [review][投票]
★3夜は千の眼を持つ(1948/米)説明なしにキャメラが疾走する冒頭は驚異的で、取り乱したヒロインが囁くタイトルも謎めいており、これは凄いと胸ときめかせるも、なぜかその後はよくある超能力者エドワード・G・ロビンソンの受難話に終始。千の眼はどこへ行ったのだろう。[投票]
★3イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密(2014/英=米)筋の面白さは出色だが英テレビドラマ程度の脚本と演出が安く、数理論の切り口を放棄しているのが寂しい。伝記や小説で読むべき内容なのだろう。[投票]
★3私の兄さん(1934/日)あんまりにも簡単なお話。ハリウッドな両スタアを愉しめばいいのだろう。キュートな田中絹代と八王子の風景、当時のタクシー業界のあれこれが印象に残る。[投票]
★4叫びとささやき(1972/スウェーデン)ハリエット・アンデルセンと召使の交流、極上なのにあくまで即物的な撮影が記憶に残る。残念なのは「悪役」が浅墓に過ぎること。現実はそんなもんなのだろうが。[投票]