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[コメント] 全身小説家(1994/日)

全身で煙に巻いた小説家という感想。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







女性関係に経歴詐称と突っ込みネタの仕込みは流々、あとは井上対原の腕力沙汰に期待膨らむも、当人の闘病記録にシフトしてしまう。ドキュメンタリーらしい事件性とも云えるが、せっかくのネタ振りを知人のコメントで無理矢理纏めた感があり残念。

井上は冒頭で弟子を怒鳴り飛ばすが、ああいう元気な処がもっと観たかった。それは彼の怪しい来歴に肉付けをしただろうに。作者もそれを期待して撮影に臨んだに違いないのだが、別の記録になってしまった。

全体の脈絡からは、色んなことを病気になって全身で煙に巻いた小説家という感想が出てくる。あながち的外れではないのかも知れない。

何でも撮らせる姿勢は流石。訪問した怪しい医師を「他人の言葉でしか語っていない」と指摘するのが凄いのだが、小説家の記録なのだからこういう件がもっとあっても良かったのにと思う。木村威夫の再現シーンは秀逸。

(評価:★3)

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