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けにろんさんのコメント: 更新順

★3マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015/豪)濡れた仔犬のようなハーディは孤高というより優柔不断な場当たりに見え「マッド」度はてんで低い。『サンダードーム』の拡張的ジョー王国は既視感拭えず、規格更新されたチェイスは馬鹿騒ぎ的な過剰さで修飾されただけだ。ここには新しいものは何も無い。[投票(7)]
★3キャロル(1974/日)映画を巡る事件は最早風化しそこへの言及は虚しいだけだが、固めてないリーゼントがまるでロン毛の素の永ちゃんが、反ロッカー的に70年代のフラワーなムードを発散させ秀逸。キャロルと言うより彼の映画ってな位に思い込み過多な「ヤザワ節」全開。[投票]
★5驟雨(1956/日)断片の集積で小さな世界の混濁と無常を余すことなく描いた脚本が素晴らしいのだが、それでも東宝的微温庶民掌話になりかねぬところを成瀬のニヒリズムが全篇呪縛のように覆い痛烈。結果小粋なラストも輝く。カメラも良く同年の『流れる』とピークを形成。[投票(3)]
★3アントニオ・ダス・モルテス(1969/仏=ブラジル)意匠や設定は商業主義な定石に準拠しているのだが、そう思って見るとバイオレントもシュールも不足気味で余りにゆったりしたテンポがしんどい。勧善懲悪とは行かぬわだかまりの中行き着くところにカタルシスは無い。原色の力感溢れる画面は美しく音楽も強靭。[投票]
★5予告犯(2015/日)恵梨香の絶句を機に世界は転倒した。『ショーシャンク』を掠り遥かキャプラまで敷衍したかの如き映画構造が大甘にせよ行き場無き時代を照射するには必要な気がする。格差やネットを巡る描写は浅薄だが追跡劇の高度に歪な映画的時間配分の良さが補完。[投票]
★3トレインスポッティング(1996/英)怒れる若者たちの末裔は社会構造圧力から解放された代わりに経済格差に圧殺される。かくして私達はドラッグに浸るのであーる。という言い訳地獄から這い上がったにしても世界が閉じていることは変わらない。幻覚描写をはじめ、ここには新しいものは何も無い。[投票(2)]
★3男のゲーム(1988/チェコスロバキア)グロい顔面破壊のバリエーション集は、一応ゲームボードのような選手のクルクル動きとビール&クッキー片手のTV観戦男の無情と熱狂観衆フィルムとの反復モンタージュ&呑気な音楽で修飾されるのだが、基本、スポーツ観戦好きを揶揄されたって困るんだよな。[投票]
★3暗黒街のふたり(1973/仏=伊)ジョヴァンニの権力嫌悪が露骨すぎて為にする感濃厚な展開だが、それでも主人公の被虐を噛み締めるような水もしたたる面持ちが相変わらずの見せ所だ。情緒を排した終盤の畳み掛けるような展開も冴える70年代に量産されたドロンムービーの中の佳作。[投票]
★2龍三と七人の子分たち(2015/日)微温湯の中で小便漏らしてるくらいならいっそうんこでもしろやと言いたい。早晩、社会構造の転換から足蹴にされる定めの年寄りに片足突っ込み露呈した阿りの気配が醜悪。セスナはスカイツリーに突っ込みバスは核自爆する。それ位やるのが毒ガス老人の晩節だ。[投票(1)]
★3小説吉田学校(1983/日)森繁の渾身な成りきりこそ見物だが、クソ真面目な森谷山本のような寝技が出来得る訳なく抑揚の無いエピソードの断片的なつなぎ合わせに終わった。角栄・佐藤・中曽根など不要で三木武吉との確執こそど真中に据えるべきなのに如何にもな迎合だ。[投票(1)]
★3ワイルドカード(2014/米)殺陣はハイスピードで引き延ばされた技炸裂が呵責が無くてそれなりに魅せるのだが、どうにもこの主人公がゴールドマン脚本による為ニューシネマチックにモラトリアムで融通が利かない。その辺ウェストの筋肉脳で理解が及んでるのか怪しい気がする。[投票]
★2狗神(2001/日)クリーチャーを一切出さない判断は支持するし丁寧な仕事だが表層をなぞるだけにでエロスの本質を全く解ってないことで『呪縛』のダメさと双璧。マグロな天海では背徳な情念は伝わらず悲話としても成立しない。後半はジャンルの定石通りでどっチラケだ。[投票]
★5新宿スワン(2014/日)ハウツー&成長譚のおそろしく古式床しい物語で主人公の少年漫画的一本気な価値観が強度を倍加させている。金子の胡散臭さと深水の狂犬ぶりが嬉しく70年代的で一旦中二サイドに陥りかけた流れを切り返した演出も納得。スカしてないのが良い。[投票(1)]
★3続・新悪名(1962/日)いいかげんなタイトルが甚だしく興を削ぐし、最早シリーズの根幹を左右する事件も起きる訳でもない。だが、シリーズ主幹田中徳三の再登板もあり安定的な円みと弾力が全篇を支配。スタッフもキャストも4作目ともなると最も油が乗っていたのかも知れない。[投票]
★4ハーツ・アンド・マインズ ベトナム戦争の真実(1974/米)語り尽くされた戦争だが、それでもその発端部分はそれほど言及されている訳でもない。対戦の終結から10数年、戦勝の余韻冷めやらぬムードの一種の華やぎが記録されたフィルムこそ貴重かもしれない。過ちは幸福の中で萌芽し真実は不幸の中でこそ見出される。[投票]
★3ニルヴァーナ(1997/仏=伊)丁寧な作りで小賢しさは無いものの目新しさも無い。どっかで見たよなサイバーなテーマと多国籍なイメージばかりでマニアが作ったマニアックムービーだ。ゲームの主人公のおっさんキャラに意外性はあるが、その苦悩なんて本音じゃ知ったこっちゃないんだよ。 [投票]
★3チャッピー(2015/米=メキシコ=南アフリカ)ロボコップ』な背景の『AI』再語りの手垢感もあるが、本来3項対立の傍系人物でしかない2人が予想外の父母性を発露し始めて均衡が崩壊する。と言うより作り手の心情もそこへ片寄せしてる。創造主を序盤で退席させても良かった。強度は数倍増したろう。[投票(3)]
★2シバジ(1986/韓国)グォンテクの浪花節的テーマ選定と脇目も振らぬ愚昧な一直線語りが或る種の典型を思わせ乗り切れない。階級社会発生以降世界で遍く行われたであろうこの種の問題を単なる悲話として語るのでは最早芸がない上に全編のべつまくなくハイボルテージで疲れる。[投票]
★3ザ・イースト(2013/米)潜入操作ものの定番通りにミイラ取りがミイラにと展開し主人公の心の揺れを描くに見せかけるが、根底では環境テログループを否定的見解を内在させつつ冷徹に見定めるので、結果として映画は曖昧なスタンスに終始せざるを得ないというジレンマ。妥協的ラスト。[投票(1)]
★5初恋のきた道(2000/中国)人を好きになるという1点だけを描き映画はここまで持たせられるものだったのかという驚きは絶えなき手法変革中毒イーモウの敢えての陳腐が皮相に倍加する。ツィイーちゃん可愛やは淡彩背景でピンク映えの色計算で無敵レベル。ビッチ本質が隠し味。[投票(4)]