★4 | 夫、妻ともに「症状」の描写が冴えている。ハイ・ミドル層の家庭の日常生活の細部がいかにも典型的に描かれる通俗性と、少しも通俗性のない「症状」の対比が鮮明だ。突如、笑うシャーロット・ランプリングは、崩壊の危うさを体から立ち昇らせ文句の付け所がない。 (ジェリー) | [投票(1)] |
★5 | 見事な光の扱い。ジャンの別荘。人の少ない浜辺。パリの部屋の夜の光。緋色のワンピース。沢山の手。現実と「まぼろし」を行き来する心の危うさが実にスリリング。紛う事ない現実を突きつけられても彼女にとっては「まぼろし」もまた現実なのだ。映画とは「まぼろし」だ。彼女をたまらなく愛しく感じられるのは、我々と映画との関係を体現しているからかもしれない。 (ゑぎ) | [投票(4)] |
★5 | 大人の見ごたえのある秀作。プロットが単純だから、こちらもじっくり見れる。それはオゾンの演出が冴え渡ってるからなんだけどね。ランブリングがほとんど表情だけで移ろいゆく心と喪失感を演じる。凄みもあるね。 [review] (セント) | [投票(2)] |
★5 | シャーロット・ランプリング以外では成立しない芸術。(2011/6/27) [review] (chokobo) | [投票] |
★4 | 夫の服を買うという喜び。夫にご飯を作ってあげる喜び。
夫に抱きしめられる喜び。夫と過ごす何気ない日常の喜び。夫と交わす何気ない会話の喜び。 [review] (ボイス母) | [投票(4)] |
★4 | 現実を黙殺し、過去を捏造し、代償を拒絶し、血縁を否定し、科学に叛逆して絶対的な主観の海を漂う一人の女。どんな他人が何をしようと彼女を悲しみから救い出すことなど出来やしないのだ。そしてその厳然たる事実だけが、傍観者たる我々を僅かに救済する。なんという皮肉。オゾンの残酷さ、優しさ、ここに極まれり。 (町田) | [投票(3)] |
★5 | 一度でも最愛の他人と暮らしてみたことがあれば、この絶望的な喪失感に共鳴することは容易だろう。けれどそこに過去や未来の回答を求めてはいけないし、ましてや自己憐憫を感じてはいけない。その微妙な突き放しこそが、考えようによっては優しくもある。 (tredair) | [投票(2)] |
★4 | 非の打ちどころのない傑作だと思うんだが、自分の若さからか全てを理解できているとは言い難い。20年後にもう一度見直してみたい。 (赤い戦車) | [投票] |
★5 | いわゆる“美しい”とか“雄大”とかいった言葉とは無縁でありながら、どのシーンをとってもポスターに成り得るくらい完璧な画面。完璧な映画。 [review] (ペペロンチーノ) | [投票(6)] |
★4 | 喪失の恐怖に対し無関心の虚無へ逃避したアントニオーニの対極でオゾンは主人公を事実認識に執拗に駆り立て、結果浮かび上がったのは恐るべき自己中女の実像であったという予想もしない結末。見方によっては同年公開作中『ピアニスト』と双璧。 (けにろん) | [投票(3)] |