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[コメント] まぼろし(2001/仏)

夫の服を買うという喜び。夫にご飯を作ってあげる喜び。 夫に抱きしめられる喜び。夫と過ごす何気ない日常の喜び。夫と交わす何気ない会話の喜び。
ボイス母

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







実は知り合いにお父様が自殺なさった方がいる。もう、その自殺した事自体、数十年前の事で過ぎ去った過去なのだが、その方にとってそのトラウマは計り知れなく、どうにかした拍子に「お父さん、何故死んだの?」と漏らす事がある。

誰も彼女の傷はいやせない。何処にも彼女の問いかけの答えが用意されていない(原因不明の投身自殺であった) 父親の自殺の真相は、彼女が一生かけて自分に問い続ける事になるのだろうか?

この映画でもヴァージニア・ウルフの遺書が引用される(「めぐり会う時間たち」と同じ)

しかし、この映画「まぼろし」は「残された側の映画」なので、なんとも感情移入して見てしまう。 なんと自分は何も知らずに暮らしていた事だろう。夫の病にも気がつかず・・・と、こんな状況だったら自分を責めてしまいそうだ。 ましてや子供がいなかったとしたら。 多分、この主人公と同様の事をしてしまうだろう(女性の場合、子供がいると、子供というのはなんとも現実的な存在なので、自殺しようとか発狂しようとかいうヒマが無い。実際問題として)

思わず、映画を観た後、夫を見つめてしまった。 夫は「ナニよ?」と言っていたが、とりあえず、自分がどれほど夫を好きか。愛しているのかをちゃんと口頭で伝えておいた。

(評価:★4)

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