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DSCHさんのコメント: 更新順

★2田園に死す(1974/日)挿入される短歌が寺山の自意識過剰を無闇にPRしてその度に感興を削がれる。嫌悪すべき母の描写が中途半端なため、母へのトラウマに苦しむ様は「へえ大変ね。俺は母ちゃん大好き」レベルの他人事。恐山の異次元的イメージは映画的に創られたものではなく有りの儘だからスクリーン上では驚く事もない。色彩感も一辺倒。同時代的に目の当たりにした方の驚きは分かる気もするが、この「田園」で死ぬ気にはならない。[投票(1)]
★5ベルヴィル・ランデブー(2002/仏=ベルギー=カナダ=英)アニメーションの新古典主義宣言。 [review][投票(1)]
★4モンティ・パイソン 人生狂想曲(1983/英)エロ・グロ・クレイジー・バイオレントなバカ騒ぎを無作為に散りばめながらも、根底に冷たく透徹した視線をひしひし感じる「人生惨歌」。 [review][投票(1)]
★3インセプション(2010/米)レオの懊悩に「巻き込まれる」のは予定調和を避ける意味で良いとしても、最後まで引っ張って結局予定調和なのはある意味驚き。結局「何となく全てが巧くいった」その様子を呆けて眺める他なく、その過程にカタルシスを感じられず。映画に「ルール」を要求しすぎ。チーム・ディカプー、『パプリカ』に完敗。画の密度は買う。[投票(4)]
★2サマーウォーズ(2009/日)仮想世界での敗北がガチなアイデンティティ喪失につながるあのシーン、携帯端末に一族郎党こぞって食らいつく「つながり」に、デジタル世代の病を見て寒気が。仮想世界でしか血を流せない仮面達が手触り感満々の日本家屋をジャックするグロテスク。これが批判精神不在のガチ活劇として撮られたことを本気で憂う。ただし各所の「くすぐり」は依然としてハイレベル。がんばれ次作。[投票(3)]
★4人生に乾杯!(2007/ハンガリー)へっぽこ警察ブラボー。君たちは優しい。そして「俺たちにも明日はある」。※ラストについてコメント追記 [review][投票(3)]
★4王手(1991/日)大阪新世界も将棋も日本海も全てがワンダーランドである私の目には、新世界の陽気な猥雑、喧嘩、将棋の「静」も「動」も等しくファンタジックなアクションに映る。「脳内格闘技」としての将棋を提示するアクション映画監督阪本順治に将棋のあの手この手は問題ではなく、道場はリングと等価。キャラ立ち合戦も丁度よい塩梅。國村隼が可愛いです。[投票(1)]
★5顔(1999/日)「白馬の王子様」は現れない。 [review][投票(1)]
★5天空の城ラピュタ(1986/日)「ぅあぁがぁれえぇぇぇぇぇ・・・!(平均点)」 (レビューは今更感満々のシビレポイントと極私的ネタ)僅かに追記。 [review][投票(2)]
★5つみきのいえ(2008/日)お願い、もうそれ以上深く潜らないで・・・!(滂沱たる涙と共に) [review][投票(2)]
★4タンポポ(1985/日)食べるシーンも食を追求するシーンも悉くセックスと同義。陰惨になりやすいテーマを明るく切り取る真性エロ礼賛映画。この頃の邦画の賑やかないかがわしさは深作伊丹亡きあと、やはりメジャーな舞台では喪われたのだろうか。あらゆる郷愁を誘うモニュメント的な傑作。 [review][投票(3)]
★5スカイ・クロラ(2008/日)「閉ざされた空」との決別。 [review][投票(1)]
★4バートン・フィンク(1991/米)全ての事象が、等しいレベルで、同じ方向に、少しだけ、ズレている世界。「違和感」を秩序立てて統制することでコーエンが現出した世界には、その世界だけの確固とした「リアル」がある。異物に闖入されて崩壊する日常ではなく、自らが異物として飲み込まれ、排泄される恐怖。魂焦がすほどの違和感はやがて後戻りできないカタストロフへ。秀作。[投票(2)]
★5座頭市(2003/日)静的・絵画的な「時間」をじっくり見つめるのではなく、圧倒的な動的瞬発力が発現する瞬間「カット」を次から次へと描き殴っては斬り捨てて目撃者の脳裏に刻む編集の技に、絵師キタノの「映画的」成熟をみる。その技の斬れ味はまさに「居合い」そのもの。いやはや、よく斬れること、よく斬れること! [review][投票(4)]
★3バットマン(1989/米)性悪説の証明と拡散・普遍化に傾注し「遺憾ながら」現代的共感を得た『ダークナイト』の「誰でもない狂賢人」ジョーカーとは違い、こちらは狂気に堕ちる一人の男の悲哀に寄せるバートンの「異人への慈愛」が先行したジョーカー造形で、また違う味わいを楽しめる。ただし・・・ [review][投票(3)]
★3イーストウィックの魔女たち(1987/米)人を苛めるジャック・ニコルソン もいいが、人に苛められるジャック・ニコルソン もキュート。と思える人じゃない限り観てはいけない。その点で『バットマン』と双璧をなす「ニコルソン映画」。 [review][投票(1)]
★3めがね(2007/日)心が塞いだ時に観て涙した。たそがれ適性が高かったのだろう。安らかな時に観るとそうでもない。でも、この映画を必要とする日はまた来る。そんな「再会の予感」とともにある映画。ただ、映画館の大画面と暗闇で観ないと意味がないし、筋がどうこうというものでもない。随所随所が気持ち悪いのも確かなのでこの点数。大貫妙子の主題曲で昇天。[投票]
★5紅の豚(1992/日)時代の道化=豚。時代の要請として「カッコいい英雄」で「あるべき」男が、徹頭徹尾時代を無視して自己陶酔する「破廉恥な豚」であることをわざわざ誇示する勇気。あの時代、あのイタリアで徹頭徹尾「カッコ悪く」「遊び続けること」は命懸けだ。何よりそれは、戦争を明るく放棄する反逆者として「カッコ良いこと」ではなかったか。好きな映画なんだけどなあ・・・ [review][投票(2)]
★3カメレオン(2008/日)「老後」をひっくり返して「ゴーロ」のネーミングから、70年代和製アクションの王政復古を!という意図は明確だが、結局70年代的暴力遊戯の「老後」は、心(脚本)が萎びて肉体(アクション)は現役以上という占い結果に。それはやっぱり気持ち悪いジイ様ですよ。やはり心あっての肉体でしょうに。 [review][投票]
★5オーケストラ!(2009/仏)歴史に踏みにじられて散り散りになってもしぶとく熱く生きる、人への、音楽への想いを束ね、爆発させる展開に涙が止まらない・・・そう、これが魂の音楽。心を引き裂かれても人は演奏したいものなんだ!神が降りてくる瞬間は必ずあるんだよ!(いち奏者としてやや感情的なレビュー) [review][投票(2)]