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[コメント] ベルヴィル・ランデブー(2002/仏=ベルギー=カナダ=英)

アニメーションの新古典主義宣言。
DSCH

絵柄はどこか郷愁を誘う手触りながら決して甘やかな耽溺はなく、突き抜けた猛毒の現代的諧謔、アニメならではの「理由」という束縛を超えたユーモアとアクション、そして密やかに限りない優しさと一匙の諦めを乗せてスウィング、ドライヴする。それらの要素が矛盾しない知性的超絶技巧。耽溺ではなく慈愛なのがミソ。楽曲センスも異常なほどのハイレベル。何から何まで土下座級の衝撃。

オープニングのいかにもなクラシック感から転換する「ネオクラシック」な質感。絵柄の個性にギラギラとみなぎるプライドと批判精神を感じる。この転換にアニメーションの新古典主義を宣言する意気を見た。臨界突破の6点。

(評価:★5)

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