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[コメント] キル・ビル Vol.2(2004/米)

女であり母であり、そして、殺し屋である。相容れない二つの顔。最終章における緊張と弛緩の微妙な匙加減は、彼女が抱えた内的矛盾の表現として秀逸。やられた。
緑雨

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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やっとの思いでビルにたどりついたと思ったら・・・失ったはずと思っていた幼い娘にオモチャのピストルを向けられ、憎きビルの眼前で、あろうことか戯れで死んだふりをするハメになるとは。。クライマックスへの高揚感をはぐらかすようなヘナヘナの弛緩。この語り口に感服した。

彼女も、そして観ている我々も、はたして事態をどのように受け止めればよいのやら戸惑いに襲われる。この戸惑いこそが、永遠に解けない矛盾を内面に抱えそれでも生きていくしかない彼女の運命の象徴そのものである。

確かに軽妙さに欠けるダイアログが多く、ダレるという評も納得はできる。が、一方で、教会での惨殺直前を描いた回想パートにおいて引いていくカメラが教会を出ると殺し屋たちの後姿が現れるカットをはじめ、カッコいい映像も満載。予想に反して深みのあるいい映画であった。

(評価:★4)

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