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disjunctiveさんの人気コメント: 投票数順(18/35)

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★4最後の決闘裁判(2021/米)野人とインテリの対比が機能しない。事態を招いたのは野人の無能力でもインテリの機智でもなく、単なる性欲への敗北である。見解に矛盾がないので羅生門効果も成立していない。総じて軽い芝居のなか、野人と性欲文系の狭間でウンザリするベンアフが [review]けにろん[投票(1)]
★4パリ13区(2021/仏)男が教え子と遭遇する出来過ぎた偶然は、良き教師像としての男を提示して女の気を惹く創作上の機能が明らかになると許せてしまう。妹の動画を褒めさせて男の好意を受け手に惹きつけた直後、些事のつまずきで空いてしまう失恋の穴。 [review]けにろん[投票(1)]
★4アベンジャーズ エンドゲーム(2019/米)サノスを襲うとか石を云々とか動機付けを台詞に依存する朗読劇であり、紙芝居に質感を与えるべくヒゲ面たちが泣き顔の彫を深めていく。要は顔貌の起伏で時空を連関させる類の映画だが、根拠なき接続は無差別と同義であり無差別は自助の実感を失わせる。 [review]けにろん[投票(1)]
★4モガディシュ 脱出までの14日間(2021/韓国)ドメスティックな題材が矮小さゆえに感情の信憑性に到達することがある。脆弱な外交リソースが路頭を彷徨わせるくやしさ。しかしドメスティックさゆえにアフリカ憎悪には容赦がなくなる副反応がある。 [review]けにろん[投票(1)]
★4冬薔薇(ふゆそうび)(2022/日)小林薫父子の和解に焦らされる、恋のようなすれ違いのスリルが伊藤健太郎が悪の勧誘に試される形で変奏される。そこに至るまでに、永山絢斗が付け入る心の隙間を熟成する気の長さがある。 [review]けにろん[投票(1)]
★4トップガン マーヴェリック(2022/米)大人になれなかった物語。問われるのは管理職から逃れてきた技術職の成熟。学級崩壊は必然といえるが、この課題に正面から取り組み解決したID4に比して、こちらはビーチで戯れて有耶無耶になる手軽さである。 [review]緑雨[投票(1)]
★3キングメーカー 大統領を作った男(2021/韓国)音楽的な演説を始めるソンギュンも”閣下”の一座も挙措は歌劇に準ずる。殊に室長チョ・ウジンのヌルっとした軟体感。話の底流にある実務家蔑視はミュージカルの話法に特有の内容のなさへの自己嫌悪でもあるのだが、 [review]けにろん[投票(1)]
★4新 極道の妻たち(1991/日)芝居のうまさが祟って高嶋政宏はゴッドファーザーでいうところのソニーにならない。解離する岩下志麻のストレスを追求しようにも息子の没入を厭いながらも母の血は騒いでしまい、収まるところに収まってしまう。 [review]ぽんしゅう[投票(1)]
★4アンビュランス(2022/米)消尽したテストステロンはもはやカーチェイスの力学に耐えきれず、車は次々と勝手に自爆する。ヒゲ面の男たちの集団的更年期障害が希求するのは、それぞれの不安を包摂する生ぬるい連帯。その結実としてのリモート手術。 [review]けにろん[投票(1)]
★4渇き。(2014/日)小松菜奈の軽量級の芝居はオッサン学芸会にとって屈辱になるのか優越になるのか。被虐のその繊細なバランスが女衒退治という通俗のうれしさに飲み込まれていく。 [review]けにろん[投票(1)]
★4燃えよ剣(2021/日)職人賛歌の割に政治的体面を気にしてしまう。職人の癖に職人に徹しきれないのだが、中産階級の坊ちゃんたちの徳が時に厚顔へと転換し、かかるサイコ性の方に職人のダンディズムがある。 [review]ゑぎ[投票(1)]
★4死んでもいい(1992/日)大竹しのぶの天然と自意識の狭間で低徊する90年代前半文明というニッチ。室田日出男の悲劇を呼び込む力と優男のダメさが、ちあきなおみの協賛を経て、大竹の魔性というその息苦しき90年代文明を圧していく。 [review]けにろん[投票(1)]
★4天然コケッコー(2007/日)キャワイイという存在するだけで価値がある事は、それに際した観測者にとっては感情の強制であり暴力である。その強制力が有標化するキュンキュンな傷みを思春期・卒業・ゼロ年代のノスタルジーと取り違えてほしい欲望がある。 [review]DSCH[投票(1)]
★4キャロル(2015/英=米=仏)ケイトのヒラメ顔が紗のかかった画面を大型魚類そのものの緩慢さで遊泳する。貞操を狙われるルーニーは水族館の隅で怯える小動物である。 [review]けにろん[投票(1)]
★4mid90s ミッドナインティーズ(2018/米)地面の形状に沿って各々の知性と根性を定義できる映画的事態が、組織内力学の叙述に活かされる一方で、形状に左右されない痴愚者は超地上的な視点に至り事態を包括する。それは、90年代にありながら、すでにそれを懐かしむような態度である。 [review]けにろん[投票(1)]
★3異端の鳥(2018/チェコスロバキア=ウクライナ)たとえば、生計の手段が絶えず疑義に晒されるような生活感のなさが、生活の物証を追及するゆえに、景物の質感は高い解像で捕捉される。これがモノクロと齟齬を起こしてますます作りごとめいてくる。 [review]DSCH[投票(1)]
★4人間狩り(1962/日)長門裕之の顔パーツはその中心に吸い寄せられるように配置され、自らが自らに陥没する勢いがある。渡辺美佐子はこれを嫌がり、顔を見るとつらいという。長門が事件を放り出し美佐子の尻を追うと伊藤孝雄が勝手にやってくる。陥没が陥没を引き寄せるように。 [review]ぽんしゅう[投票(1)]
★4ある脅迫(1960/日)金子が長考する不思議な間が受け手を彼の内面から引き剝がしてしまう。後世の類型からずれる、苦悩する金子の造形は把握しがたい。曖昧な人間像はだからこそ西村と飲んで白木マリと寝て浜村純を襲う夜の工程をこなし、精力が狭い直江津の地誌と化す。 [review]ゑぎ[投票(1)]
★4ハウス・オブ・グッチ(2021/米)遠近感を狂わせるアダム・ドライバーの怪相はたちどころに時代感を克服し、80年代を知覚させない。ツーブリッジの広漠なフレームがかろうじてアダムの顔面をまとめ上げるが、 [review]けにろん[投票(1)]
★4かもめ食堂(2005/日)まともな映画の質感がこの時期の邦画としては珍しく、むしろその質感で小林聡美が延々と調理している様を活写するだけでいいと、貧乏性を煽られた途端、シナモンロールに客が引っかかる。こういうメタな応答性の良さがある。 [review]寒山拾得[投票(1)]