[コメント] パターソン(2016/米)
日々の雑事が人生なら、詩作は濾過された人生の痕跡。詩心皆無の私など映画館の闇で雑事を紛わすのが関の山。夫を愛する自分を含め、感性のままに総てを謳歌するゴルシフテ・ファラハニがキュート。彼女の夢語りに始まり頻繁に登場する“双子”も楽しい。
ジム・ジャームッシュ、31歳の作品『ストレンジャー・ザン・パラダイス』の無作為の画面暗転が「現在の反復」であり孤独な停滞だとしたら、本作の曜日による暗転は「連環のリズム」であり人生の歩みそのものだ。その変化を生んだジャームシュに流れたであろう30余年の歳月の無言の力に同世代者として共感する。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (9 人) | [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。