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煽尼采さんのコメント: 投票数順

★37つの贈り物(2008/米)ヒューマンドラマなのか、非人間的な絶対に没入しようとする男の倒錯劇か。 [review][投票]
★3ウィッカーマン(2006/米)法の論理と島の論理の平行線な状態が生む不条理感。だがこの不条理さによって却って不気味さを増すべき白昼の情景の明朗さが、間の抜けた明朗さの域を脱していない観があるのが残念。話の中身はかなり好きな方向性。 [review][投票]
★2スウィングガールズ(2004/日)能天気な女子高生らの騒ぎっぷりも、このダメさからの音楽的向上、という狙いが予測できたので観ていられたし、実際、ジャズにのめり込んでいく彼女らは爽やかさを得てもいくのだが、お約束で皮相な展開の連続に、音楽する事の躍動感は後退気味。 [review][投票]
★2ゴスフォード・パーク(2001/英=米=独=伊)犯人探しよりも事件の起こる背景やその波紋が主眼である事は分かるが、そこに焦点を合わせた演出になっていない。個人的には、アルトマンは群像劇という複雑さよりも、限られた人物間の関係の複雑さを描いた作品の方が優れていると思う。 [review][投票]
★4マイケル・コリンズ(1996/米=英=アイルランド)毛沢東曰く、何事かを成し遂げ得るのは、若く、貧しく、名も無い人間である。自転車に乗ったテロリストたち。 [review][投票]
★4傷だらけの栄光(1956/米)ルールを無視して生きようとするロッキーをどこまでも追いかけてくるルール。ロッキーの奔放なエネルギーに対して世界は狭すぎるようでもあるが、だからこそ、小さな店の中から世界を見てきたソーダ売りの親爺にも世界の実相が見えるのだ。 [review][投票]
★1ホテル ビーナス(2004/日)瞬間的かつ連続的なカット割りや、同一ショット内でのコマ飛ばしによる時間演出が、くどい。悪い意味でミュージック・ビデオ的。韓国語台詞も含め余計な装飾が目立つ一方、演出的な手落ちも見られる。 [review][投票]
★3旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ(2008/日)ユーモアと、倫理。「これを見せたい」という意志をこれでもかと主張する演出に抑制が利かない結果、スローやストップモーションの生硬さと執拗さや、動物を画的に演出しすぎな面も感じられる。だがこの過剰さが、多幸感と野生的なパワーをもたらしてもいる。 [review][投票]
★3少林少女(2008/日)柴咲コウのほんわかしたキャラの、その背の小ささも相俟っての可愛さや、キティ・チャンの、中国語なまりの愛らしさを堪能する、他愛ない萌え映画。全ては大場(仲村トオル)のリビドーに集約されていく。 [review][投票]
★3アズールとアスマール(2006/仏)演出と編集の電動紙芝居的な安易さは大いにマイナスだが、寓話的・説話的な物語とはそれなりに馴染んではいる。見習いCGアーティスト級の画も、次第にその神憑り的な配色センスの完璧さ、細密なステンドグラスが動いているかのような超絶美に瞠目させられる。[投票]
★4魔法にかけられて(2007/米)アニメの国から現実へ、というアイデアの出来を一応確認するつもりで観たが、意外にツボだった。アニメと現実とが、互いに世界観をブチ壊し合いながらも次第に互いを肯定していく過程が感動的。NYの、現実と幻想を同程度に成立させ得る懐の深さにも感心。 [review][投票]
★3山猫(1963/伊)豪奢な倦怠。変化していく現実の中で、敢えて時代に取り残された存在としての役を演じているかのようなファブリツィオのアイロニー。 [review][投票]
★3渚にて(1959/米)肝心の、放射能の恐怖が充分に演出されていない。むしろ劇中の人々は、絶望を通り越した諦めの境地に達し、概ね淡々としているし、その様子を描く演出までもが淡白にすぎて、前半は退屈。この映画の本領は後半にある。 [review][投票]
★3グーグーだって猫である(2008/日)猫を通して生と死を見つめる小泉今日子も、異性を追いかける上野樹里も、食い意地の三連星・森三中も皆、猫である。淡々とした穏やかさの中にスッと挿入されるシュールさの絶妙感。だが所々で色々と匙加減を間違えているのが致命的。 [review][投票]
★3叛乱(1954/日)北一輝の、複雑かつ魔的な思想性やカリスマ性は皆無。演じる鶴丸睦彦は矮小な爺様にしか見えない。だが、青年将校らを中心とした、何が大義に最も沿うか、についての逡巡、留保、決断etc.の心理劇としての緊張感は高い。 [review][投票]
★3機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(1988/日)「新生」ネオジオン。アクシズ再登板。そして、シャアの愛人ナナイの声優は、かつてハマーンを演じた榊原良子。ハマーンの魂ここにあり。ジーク・ジオン。 [review][投票]
★3ブルーサンダー(1983/米)終盤までは大して面白くないが、徐々に都会がジャングル化していくスペクタクルには目を見張る。戦争の帰趨を決する要素としての、機械による知覚の拡張。押井守の『機動警察パトレイバー2 the Movie』はこれが元か? [review][投票]
★2パラドールにかかる月(1988/米)ルパンのモノマネをしていたら、本当にルパン役にされてしまった栗田貫一のようなお話。だが、ナンセンスなエネルギーや、入れ替わり劇のダイナミズムに欠けるのが惜しい。 [review][投票]
★3いのちの食べかた(2005/オーストリア=独)整然とした構図と、ディープフォーカスの画面。被写体同様にカメラも終始、無機質さを保つ。淡々と作業を繰り返す従業員も、その栄養源である食物も、機械的なシステムの循環の内にある。合理化の権化としての機械の、不気味でもあるスペクタクル性。 [review][投票]
★3ファーストフード・ネイション(2006/英=米)プロレタリアートとしての牛。牛のみならず、経済格差をも「食い物」にしているという事。 [review][投票]