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ぽんしゅうさんのコメント: 投票数順

★5楽隊のうさぎ(2013/日)心と体が、艶めかしくも清々しく変化する思春期の少年少女たちの息吹が、フィクションである成長物語に融合し、流れる時のなかで若い命が輝く。まるで生身の生が映画に宿っているかのようだ。「何も起きない」なかに物語を見い出す鈴木卓爾の観察眼の賜物。[投票(2)]
★3スノーピアサー(2013/韓国=米=仏=チェコ)破綻してしまった生態系(システム)を、無理に維持することで矛盾を温存するのではなく、力ずくの無為な努力や、高慢な驕りは捨て去り、生態系(システム)の原点に立ち戻ってやり直すことを厭うな。そこに未来は開けるのだ。そんなポン・ジュノのメッセージ。 [review][投票(2)]
★4少女は自転車にのって(2012/サウジアラビア=独)闘う少女の小さな「ひとり革命」。欲望と希望が同意の怖いもの知らずの少女は、コーラン暗唱という道徳の強請をも、あっさりと「違う明日」を具現化する手段にすり変えてしまう。さり気なくも印象深く告発されるサウジの女卑事情の理不尽を知る貴重な映画体験。 [投票(2)]
★4ターミネーター2(1991/米)20世紀の末には、まだ機械に対して人間の優位が担保され希望すら託せたのだ。その後の無人戦闘兵器の進歩を見るにつけ、プログラムが人間を殺戮することが身近になりつつある現在、このファンタジーは微笑ましく嘆美に値する。愛すべき傑作オプティミズム作品。[投票(2)]
★2マトリックス(1999/米)これはリアル社会へのバーチャルの侵入なのだからという免罪符をよいことに、男の子版「不思議の国のアリス」+「白雪姫」に興じる何でも有りのアトラクションムービー。金遣いと見てくれは派手だが、SFとしての志の低さが〈お話し〉を陳腐化しB級の域を出ない。[投票(2)]
★3麦子さんと(2013/日)かつて少女であった母の気配のなかに、タイムスリップしてしまった麦子の戸惑いを自然体で演じる掘北真希が好い。80年代アイドルに連なる母の記憶という、今年のNHKの人気ドラマとの符号は単なる偶然か。それとも再生を希求する時代の気分の発露だろうか。[投票(2)]
★4ペコロスの母に会いに行く(2013/日)確かに認知症という名称は我々の側からの負の呼び方でしかなく、みつえ(赤木春恵)は、まだ私たちには触れることも感じることも叶わない「豊かさ」を認知し享受しているのかもしれないし、そうあって欲しいとも願う。思いがカタチを結ぶ橋の邂逅の神々しいこと。[投票(2)]
★4四十九日のレシピ(2013/日)誰とも血のつながりを持たなかった乙美(荻野友里)は、誰とでも係わり合うことで生きている実感、すなわち自立を手にした。血縁にしろ他人にしろ、永作博美原田泰三夫婦のような依存は、心の蘇生を阻害することはあっても促進することなどない。 [review][投票(2)]
★3モンタナの風に抱かれて(1998/米)馬の治療はほとんど描かれないのに、延ばしに延ばした3時間という語り口の長さで「すべては時が解決するのだ!」となんとなく了解させられてしまう「我慢」の中年恋愛映画。まだまだ元気な63歳、レッドフォードの色恋ざたにかける未練に、二枚目俳優の業をみる。[投票(2)]
★2ねらわれた学園(1981/日)公開時ど肝を抜かれた「守ってあげたい」のオープニングタイトルの斬新さに5点! セーラー服に始まり、お嬢様からストリートファッション、そして和服まで披露する薬師丸ファンご満悦映画。失笑の峰岸徹の腹目玉に冗談のような大林宣彦の本気が炸裂。[投票(2)]
★3R100(2013/日)大日本人』のベースを形成していた昭和懐古趣味(携帯レス)と『しんぼる』のレスラー物語の躍動(溌剌S嬢)が同居する松本らしい生真面目な構造。60年代ATGを思わせる外部(製作陣)からの物語(本編)への介入など、映画の破壊というよりは「いつか見た不条理」への回帰に見えた。 [review][投票(2)]
★3スピード(1994/米)冒頭のキアヌ・リーヴスジェフ・ダニエルズの必勝コンビぶりが、ひたすら活劇テンションの維持に腐心するあまり途中からおざなりに扱われ「心情」というドラマが霧散する。必死で持続させてきたそのテンションを一気に弛緩させる最後の20分は致命傷。 [投票(2)]
★3ユージュアル・サスペクツ(1995/米)メンバーが集合して以降、セカセカと大したサスペンスを生まない話しが続くので集中力が続かない。いいかげん退屈しきったころに、これまたセカセカと「驚き」をみせられても、ああそういうことですかで終わってしまう、いたって「切れ」のないサプライズ映画。[投票(2)]
★2東京公園(2011/日)バーや小西の部屋が、80年代バブルの「見てくれだけ映画」の意匠を彷彿とさせ気持ち悪い。三浦と榮倉の小津パロが遊びとして面白かったのと、強姦男に向かっての榮倉の「『リップスティック』(76)知らないの!」は、隠れファンとしてちょっと感激の、楽屋うけ。 [投票(2)]
★3いけちゃんとぼく(2009/日)あまり好きなタッチではないが、結構シビアな題材をポジティブに見せるためには、この浮つき感は必要な「演出の緩み」なのだろう。子供の「内面」の未熟(=柔軟)さを利用して、超「外界」が越境するアイディアも、あまたの凡庸な前例の轍を踏まず成功している。[投票(2)]
★2マン・オブ・スティール(2013/米)今やハリウッドで大流行の「悩めるヒーロー」をとりあえず据えてはみたもののザック・スナイダーは、そんな面倒なドラマになど一切関心がなさそうで、ケント君の葛藤はおざなりに描かれ続けるので「ついにそのパワーが解き放たれた!」という開放感が皆無。 [review][投票(2)]
★2ロード・トゥ・パーディション(2002/米)冒頭の葬儀の不穏さに期待が高まるも、逃避行に突入してから話が浮つきはじめる。殺し屋との遭遇や銀行強盗にスリル(緊張感)がないのは、話の推進力を一般論としての父と息子という関係性に頼りすぎて、語り口に厳しさがないからだろう。雨中の襲撃には苦笑。[投票(2)]
★4ペーパーボーイ 真夏の引力(2012/米)なんとも濃密で忌々しく殺気だった映画だ。この鬱陶しさは4人の主要人物はもちろん、一瞬、物語をよぎるだけの者まで、すべての登場人物が「人間なら誰もが抱えている歪み」を無遠慮に突出させていることに起因している。リー・ダニエルズの意地悪さの成果。 [review][投票(2)]
★4フィールド・オブ・ドリームス(1989/米)幻影の二重構造。元来、映画とは幻影を実在することのように見る行為であり、我々はその幻影に向かって思いを馳せる。それは心の鏡でもある。だから、トウモロコシ畑の球場に集うヒーローたちに、嬉々として心躍らせるこの家族の興奮が素直に我々に伝播するのだ。[投票(2)]
★5ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ(1984/米)レオーネは時間を分断しつつ冗長かつ過剰に時代を描き込んでいく。このペースに付き合うには、観るというよりは眺めるという感覚が要求される。すると時間を超越した人為的で感情的な、まがいものの「時代」がたち現れる。だがら映画なのだ。美術の貢献も大きい。 [投票(2)]