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ぽんしゅうさんのコメント: 投票数順

★3修羅雪姫(1973/日)敵役が皆チョロイのが最大の難点。暖簾に腕押しみたいな奴らが相手では、生まれながらに復讐を定められた鹿島雪の苦悩は霧散し、梶芽衣子の冷たい艶やかさはカタチだけに終始する。まあ、どこぞの外国人が嬉しがるにはちょうど良いかも知れないが・・・ [review][投票(5)]
★2ミュンヘン(2005/米)選手村襲撃、報復テロ、悔悟と恐怖。3要素の配列バランスが悪く、全て緊張感のない凡庸描写。しかも、アヴナー(エリック・バナ)の苦悶は国家と家族という今更感一杯の矮小さから一向に抜け出すことなく、いつまでたっても現代の世界観とは交わらない。 [review][投票(5)]
★2単騎、千里を走る。(2005/香港=中国=日)障害らしい障害は言葉の問題以外何もない、というのは確かに日中友好には結構なことかも知れないが映画としては大問題。もみ手モミモミ、満面作り笑顔ですり寄るような腑抜け映画を日本人の私も、きっと中国の人もチャン・イーモウには期待しておりません。 [review][投票(5)]
★5カミュなんて知らない(2005/日)確かに人の心の深淵には己も気づかぬ得体の知れない衝動が潜んでいるもので、常識や規範に封印されたその非合理的衝動は、ある状況や思いが飽和点に達したときに誰にも解せぬ行動として日常の中に立ち現れる。心の不可視的深層に共振する軽やかだが不気味な映画だ。 [review][投票(5)]
★3男たちの大和 YAMATO(2005/日)余分な感情や脚色を廃し簡潔に描かれる一兵士たちの死に寄せる想いに説得力がある。襲来する羽根虫のごとき米機の集中攻撃にあえぐ巨艦。弾丸の雨を浴びながら延々と繰り広げられる艦上の抵抗行為の阿鼻叫喚はすでに戦闘ではなくまさに犠牲であり圧巻。[投票(5)]
★3空中庭園(2005/日)しつこいまでに彷徨い揺れるカメラは確かにある種の不穏をもたらしてはいたが、結局は「空中庭園」を造り出した女の葛藤と、その場での生活を強いられた者たちの歪みは相容れたのか否なのか。やり直しは、繰り返しなのか。お茶を濁された感がある。 [review][投票(5)]
★4親切なクムジャさん(2005/韓国)美貌というのは恐ろしい。外見の美はその人間の内面を時に覆い隠してしまう。悪魔にも天使にも見える美しき魔女イ・ヨンエの私的怨念が周囲を巻き込んでいくさまが、観客も気づかぬうちにカタルシスとして機能するというパク・チャヌクマジック。 [review][投票(5)]
★3チャーリーとチョコレート工場(2005/米=英)本来、子供は欲望など持ってはいない。彼らがもっともっとと際限なく物事をねだるのは、彼らの頭の中に終わりや限界が存在しないからだ。そう考えると、子供だけが持ちうる探求心とは純粋なる「希望」と言い替えることも出来なくはないのだ。 [review][投票(5)]
★5ヒトラー 最期の12日間(2004/独=伊=オーストリア)未来を見据え、かつ現実を見つめながら人々を導くことが政治家の責務だとしたら、12日の間ヒトラーには何が見えていたのだろう。彼の最期の12日間とは、全てのドイツ国民にとって未来どころか、「今」すら見えない停止した時間だったはずだ。 [review][投票(5)]
★3埋もれ木(2005/日)日常の中の距離。それは忽然と現れる遥かなる過去の痕跡や、年に一度おとずれる時間という距離であり、見知らぬ世界から現れた異物が暗示する未知との距離。そして母と息子の間に存在する空間という距離である。その距離の体感こそが日常のファンタジーなのだ。 [review][投票(5)]
★3Ray レイ(2004/米)音楽や人物を掘り下げるわけでもなく逸話が羅列されるだけの脚本を、ジェイミー・フォックスの熱演と楽曲の楽しさだけでなんとか最後まで見せきってしまうハリウッドお得意の総花伝記映画。華奢ながら力強い母親役のシャロン・ウォーレンが印象的。[投票(5)]
★2スパイ・ゾルゲ(2003/日)CGを書き割りに用いながら、その唯の背景にすら霞んでしまう篠田正浩の映画作りの脆弱さ。今更、共産主義ロマンチシズムを振りかざす時代錯誤的平和主義に、これまた墓場の底から呼び出されたジョン・レノンもさぞや迷惑なことだろう。ご苦労様でした。[投票(5)]
★2ハウルの動く城(2004/日)前作が「生命と水」の物語ならば、本作は「営為と火」の物語として描かれるべきだった。技術と文明の源であり、戦闘と消失の象徴である「火」=カルシファと取引した男の苦悩は霧散し、物語はハウル=木村拓哉のアイドル映画へとあえなく収縮した。 [review][投票(5)]
★5病院で死ぬということ(1993/日)近親者の死が招く欠落感は耐えがたく、己の死には底知れぬ恐怖を感じる。だからこそ観客は、映画の中の「死」に同化してしまうことで、その事実を疑似体験して受け入れてしまおうとする。それを拒み、これほどまでに死を「見る」ことを強いる映画を知らない。 [review][投票(5)]
★3スクール・オブ・ロック(2003/米=独)まあ、みごとなぐらい予定調和的定型コメディですね。悪くない。けっこう笑わせてもらいました。でも見る人が、学校でロックを教えるって発想を何の抵抗もなく受け入れられるっていうことは、ロックも権威(大物)のひとつだってことですね。 [review][投票(5)]
★2レディ・ジョーカー(2004/日)導入から事件発生までの簡潔でスピディーな展開は心地良く、高村薫のヒリヒリとした焦燥感を尊重し、登場人物を全員ストイックにまとめた平山秀幸の演出も方法論としては理解できるのだが、いかんせん時間が足りなかった。 [review][投票(5)]
★4花とアリス(2004/日)ハートのエースを捜す少女と花の屋敷の少女。キズと痛みを知っている彼女たちは共に歩む戦友なのだ。大人へと半歩踏み出しただけで、彼女達がいつのまにか巻き込まれる初恋の葛藤は痛々しいが、岩井俊二はちゃんと戦友同士の輝きを準備しておいてくれた。[投票(5)]
★4ニッポン無責任時代(1962/日)60年代の超競争社会。誰もが、生活を維持するためではなく、貧しさから抜け出すため自由と引き換えに我が身を組織にゆだねた時代。そのフラストレーションの具現化が、どこにも帰属せず成り上がるヒーロー植木等。時代が生んだモダニズム喜劇の快作。 [投票(5)]
★3ROCKERS(2003/日)四十を過ぎてから20年以上前の自分をふり返るときの自信が誇りとなって輝き、照れがはにかみとなって随所に顔を出す。そして、過ぎ去った時間の長さがパワーとなって映画全体を支えているのが分かる。陣内孝則監督の素直さがうらやましい。[投票(5)]
★1キューティーハニー(2004/日)問題は庵野秀明が、カメラのレンズを透して実景をフィルムに焼き付けるという行為に執着を持っていないということ、そして人間の感情と肉体の関係に対して通り一遍の関心しかなく役者を素材としてしか考えていないということに尽きる。 [review][投票(5)]