[コメント] 続 夕陽のガンマン 地獄の決斗(1966/伊)
これは決定的にウォラックの映画。このキャラクターのUGLYさは狡猾だが憎めない。彼のキャラクタリゼーションの豊かさがこの映画を支えている。砂漠のシーンでピンクの日傘をさしながらイーストウッドをいたぶるウォラックの面白さ!ラスト近く、墓地でのウォラックの疾走。そのカメラワークのスピード感!
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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馬上のイーストウッドに対してウォラックが走りながら「おまえは善玉じゃねえ」と叫ぶ幕切れ。まるで『シェーン』のようだ。
ただし、クリーフとウォラックとイーストウッドの3人が揃う北軍の捕虜収容所で、クリーフが北軍の軍曹として現れる唐突さはレオーネらしい繋がりの悪さを感じる。
ゴーストタウンで砲弾が炸裂する中の決闘シーン。砂塵によって人や物を隠す演出は確実に演出家としてのイーストウッドに繋がっている。『アイガー・サンクション』だ。また、橋の攻防戦で出てくる北軍指揮官は『地獄の黙示録』のキルゴア(ロバート・デュバル)のような魅力的なキャラクター。この映画が後の映画に与えた影響は計り知れない。或いは、南軍の死にかけた負傷兵へイーストウッドがシガーを吸わせるシーンはキング・ヴィダーの『ビッグ・パレード』(1925年)の系譜であり、レオーネがハリウッド映画に学んだ成果が結実している。
シガーのシーンの後、イーストウッドがいつものポンチョを手にする。これにより、トリロジーが円環として繋がる。あゝたまらない!
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