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煽尼采さんのコメント: 投票数順

★4マン・オン・ザ・ムーン(1999/米)ジョークと現実の境界線をギリギリまで侵犯する、その予測不可能性からこそ生じる‘リアル’。笑って良いのか緊迫するべきなのか、一瞬一瞬で問われる観客は、単なる傍観者ではいられない。 [review][投票]
★3ベティ・ブルー/愛と激情の日々(1986/仏)ベティの狂気と情熱に、男の狂気と情熱も沸騰させられる。だが、その激しさは殆ど、二人の間の亀裂に希望も絶望も流れ落ちる、滝に似た激しさ。これは冷酷な反恋愛映画ではないのか?[完全版] [review][投票]
★3エバー・アフター(1998/米)簡単には童話的な因果応報に守ってもらえぬ現実に対し、「やられたらやり返す」の精神で立ち向かう、強いシンデレラ。だが、「愛されて愛し返す」というのは、知恵や腕っ節でもままならぬ、というのもまた現実。 [review][投票]
★3フェノミナン(1996/米)才能を持つ事は、他人と違うWorldに生きる孤独をも意味するが、Phenomenon(=出来事、現象/非凡な物・人、奇才)は、真の“Change The World”の契機でしかないという事。[投票]
★3自虐の詩(2007/日)無料の試写に集ったオッチャンオバチャンは反応良好。裏を反せば、余りにベタ。だが、幸江の母性と、イサオの純情、海の如く深き愛に海月のように心地好く漂える映画。 [review][投票]
★1万華鏡(1999/日)何か、幸せに育った風な三船美佳を、疑惑や嫉妬に駆られずには見ていられない監督が、斜めからの視線と言葉で責めたり、監督という或る種、権力的な立場に無自覚なまま、やり場の無い感情を他人に衝突させる迷走振りしか印象に残っていない。[投票]
★4絶対の愛(2006/韓国=日)美容整形という題材から予測されるような「美」が主題ではなく、しかしまた、原題にある「時間」そのものでもない。「愛」と「単独性」が主題。様々な逆説と反復が、鏡像や合わせ鏡のように目くるめく展開する。 [review][投票]
★4パフューム ある人殺しの物語(2006/独=仏=スペイン)聖書の「初めに言葉ありき」への反逆のように、言葉以前に在るものとしての、匂いという本能的な感覚への固執。殺された救い主イエスの陰画の如き、殺人者。 [review][投票]
★2ワールド・トレード・センター(2006/米)英雄が英雄を救う話。普段は災害や犯罪と無縁に暮らしている人々の存在は、奇麗に脱色されている。故に、あの海兵隊員の存在が、全てを米国政府のマッチポンプに思わせる。[投票]
★2ロスト・イン・トランスレーション(2003/米=日)ヒロインの呟く、「物書きになりたかったけど、私の文章は最悪」、「自分の足とか、つまらない写真ばかり撮って」。まさにこの映画の事。「何をすればいいのか分からない」、そんな憂鬱な浮遊感と、一瞬の甘美な時。それに感応できるかは、微妙な所。[投票]
★3プリティ・ライフ パリス・ヒルトンの学園天国(2006/米)カラフルでキラキラした画面上に展開する、下ネタの連続。嘘か真か、セレブに群がるバカ学生の乱れた珍獣的生態は割と面白いけど、ラストは尻すぼみ。 [review][投票]
★3ランド・オブ・プレンティ(2004/米=独)ヴェンダースの作品は幾つかしか観ていないが、彼が「社会」や「国家」といった大きな主題を扱うと、大掴みで図式的。個人的で小さな主題に収束させていくと、余韻の残る良い作品にしてくれるんだけど、今回は収束し切れなかった。 [review][投票]
★3クリムト(2006/オーストリア=仏=独=英)絵を描く場面の少なさと、全編、全裸の女性が散りばめられているにも関わらず不足がちなエロス。「画家クリムト」の印象の希薄さが残念。脚本は、混線しているようでいて結構、構造的かも。 [review][投票]
★2レディ・イン・ザ・ウォーター(2006/米)世界規模の問題を、お困りご近所レベルで解決?一見すると、素朴すぎるほどに物語(ストーリー)を信じているが、映画的には実は、CGの説得力を最も信じているのでは。所謂「ベタな話」への愛情はいかにもシャマラン的だが、これでは甘い、弛緩しすぎ。 [review][投票]
★4情婦(1957/米)毒と知性とヒューマニティ。軽口すら知的であり、皮肉ですら情味がある。法廷シーンには緊迫感が漂いつつも、皆、妙に楽しげなのが面白い。(*未見の方は、ここまで。念の為に指摘しますが、この赤文字はネタバレです→) [review][投票]
★2ハチミツとクローバー(2006/日)「アートの世界っぽい」だけの世界観にウンザリ。「まっくろくろすけ」みたいな猫も意味不明。唯一、色んな意味で「本物」らしく見える蒼井優のふわふわした存在感だけは愉しんで観られる。[投票]
★4ルナシー(2005/チェコ)「正当な暴力は、何らかの不正と隣接している。否、抑圧的な正義は何らかの不正でもある」(E.レヴィナス)。しかし、自由・解放もまた、何らかの暴力と隣接している――とシュヴァンクマイエルは言っているようだ。 [review][投票]
★1カクレンボ(2005/日)何なんだ、この、恰も『イノセンス』の残り物で拵えたような世界観。。妙に勿体ぶるくせに内容希薄な脚本も痛い。制作者の個性は完全にカクレンポ。(『イノセンス』のネタバレあり⇒) [review][投票]
★3三年身籠る(2005/日)余計な台詞を排した、シンプルな脚本。持続する、低温なユーモア。冷めているようでいて、その実、常に人の体温が感じられる映画。 [review][投票]
★3七人の弔(2004/日)無条件の愛、条件付きの愛、無条件という条件付きの愛。(『生きない』のネタバレあり→) [review][投票]