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けにろんさんのコメント: 更新順

★3トップガン マーヴェリック(2022/米)そうせざるを得ない遂行方途を馬鹿にする無能上司に抗い俺について来いの還暦親爺の若者掌握が凡庸なベタに留まり反転昇華しない。普通すぎる。世界のリアルから遊離したプラスティックな原子炉爆破ミッションはまんま『スター・ウォーズ』のデススター攻撃。[投票(8)]
★2ナチ第三帝国 残酷女収容所(1976/伊)残酷な人体実験が身体的トラウマに起因するという解りやす過ぎる展開が興を削ぐ。もっと訳の解らない人間本来の残虐嗜好を表出させるべきであろう。おそらく『愛の嵐』がもたらしたのであろうC級派生商品の1本だが被嗜虐の度合が生半可で哄笑には至らない。[投票]
★3リンダ・ロンシュタット サウンド・オブ・マイ・ヴォイス(2019/米)歌大好き少女がポップスターになるがボーカリストとしての力量は何枚も上手がごまんといた。彼女が偉いのは可愛いルックス人気に安住せずに多彩なジャンル適応力が自分の行く道と知っていた点。でも、そんな豆知識知ってよかったでは映画として物足りない。[投票]
★2土佐の一本釣り(1980/日)何が面白いのかさっぱりわからない話。なのは我慢できてもすーちゃんの如き性格も良い別嬪さんが海のもんとも山のもんともわからんガキに惚れ抜いちょるという設定は俺の理解から1億光年隔たっている。むかつきまくりの90分。もうちとマシな男にせえ。[投票]
★3セリーヌとジュリーは舟でゆく(1974/仏)彼女達がキャッキャと騒ぐ程には館の幻視譚が面白いとも思えぬので全尺の半分を費やした後半がひたすら冗長。屋外で展開する追跡行が魅力的な前半。それが捻れていく過程でもっと多彩なギミックを仕掛けて欲しかった。入れ替わりは逸脱が不穏で良かったのに。[投票]
★4NOBODY(1994/日)現代的病理を描くにあたり、余りにシンプルな構成が強度を付与している。心地良いまでに抑制された演技と描写。一方で活劇的オリジナリティもある。日常と非日常の境目は些細な切っ掛けで決壊する。そういう怖さをモチーフにして妥協がない。役者も揃ってる。[投票]
★3大河への道(2022/日)中井マツケンのジャムセッションが魅せるがでも尚現代パート要らんかなと思わせる時代劇仕様の景子ちゃんの後光刺すご尊顔。不在の伊能・家斉がアンカーとなり緩い作劇に重心をもたらす。何より日本沿海輿地全図は偉業であった。それが伝わる。[投票]
★2犯された白衣(1967/日)内向し自己完結するテロリズムはオナニーに過ぎない。足立が投げたテーゼは若松の商業主義的妥協に媒介され半端な形で現出してしまったのではなかろうか。画力はあるが連続射殺魔の概念は抽象から具象に変換され安普請の泥沼に埋没していく。[投票]
★3サンドラの小さな家(2020/アイルランド=英)住む家のない彼女が多くの人の協力で家を建てるのだが助ける側の動機付けが多分にお座なりで結果何かを成し遂げた感が希薄。DV問題が根っこにあり社会学的に虐待の連鎖が浮かび上がる姑との対峙が佳境。女達の救われない歴史を表出して真フェミニズムの趣。[投票]
★4株式会社 ザ・カンパニー(1971/インド)モノクロームの折り目正しい画面から昭和30年代の日本映画にあったようなモラリズムが感じ取れる。得るものがあれば失われるものもあるというメッセージは真っ当すぎるにしても、突き放すがごときラストの余韻が一線を隔しており素晴らしい。シニカルだ。[投票]
★5火まつり(1985/日)殺風景な三叉路が山と海と街への線路を結びつけ揺蕩うような人の思惑が交錯し悠久の時間を刻む。その磁場のような空間を捉える田村の的確なカメラ。物語の因果や帰結は放逐され今村的土着信仰とアントニオーニ的描法のミニマリズムが渾然一体化。[投票(1)]
★2花のお江戸の法界坊(1965/日)にぎにぎしいまでのテンコ盛りではあるが、フランキー伴淳のり平たちが主要面子とくれば、ルーティンにどうしても本気汁も出ず、典型的プログラムピクチャーの典型的陥穽に落ちた出来となった。とりたててどう言うこともない水準的コメディ。[投票]
★4秘密への招待状(2020/米)ジュリアンの攻めに防戦一方のミシェルだが、その忸怩たる思いに耐え忍ぶ風情が良く、見る者にも理解不能な状況の苛立ちを緩和する。特に2度にわたるヒール脱ぎ捨て階段遁走が女性心理の綾を衝いて素晴らしい。インドでの描写が刹那感を倍化させる。[投票]
★2スネーキーモンキー 蛇拳(1976/香港)クンフー映画に於ける格闘としての拳法の対極としての舞踏味を打ち出した新味は斬新であったし、ジャッキーベーシックキャラ確立の試金石なのだから仕方ないとは言え『ヤング・マスター』以前の一連の作は面白いがとにかく安い。自主映画みたく安すぎる。[投票]
★5パリ13区(2021/仏)伝統的くっついて離れて又くっついての世事ごとと、スポイルされた者の居場所探しが巧妙にリミックスされる。人は色々あっても必ず受け入れられるという確信。古い街は先端施設で上塗りされ移民の末裔は国家の色を塗り替える。優れて文化・都市論的でもある。[投票]
★3宮本武蔵・一乗寺の決斗(1964/日)前3作を観ないでこれだけ観ても訳解るわけもなく、武蔵の懊悩や葛藤らしきものは俺の心を上滑りしていく。吐夢らしい豪快な造形美の片鱗を探し続けて観ていたが、それはラストの一乗寺下り松のモノクロの乱闘シーンまでついぞ見出すことは出来なかった。[投票]
★4ラスティ・メン(1952/米)終盤の急転する展開の多く語らないことによる余韻を噛み締める。ミッチャムの侠気とポーカーフェイスに隠された想い。転戦に帯同する扇の要ヘイワードの安定を希求しつつ随所で見せる女たちへの意地と共感。無意識下の色気の表出がスーパークールだ。[投票(1)]
★4おもいでの夏(1971/米)泡沫の如くに過ぎ去るひと夏の淡い思い出が人生に何を呈するのかなぞと野暮は言わずに浸りきろうという割り切り。ズームやスローモーションの多用がかなり煩いが、ここまで戦略的にやられると諦めがつく気もする。ベタに流れそうでそうならない程のよい感傷。[投票]
★2真夜中乙女戦争(2022/日)学内ヒエラルキーから弾き出されてテロルに加担しかけるのだが、細部のリアリティの無さに呆れてドン引きとなる。しかも結局逃げてしまうし何やねんと思う。泥水を飲んだことなく脳内構築された世界。二宮の画面造形が随所で魅せるだけに尚腹立たしい。[投票]
★4コールガール(1982/日)陳腐な筋立ての完全無比の幕間繋ぎ企画だが裕也ひろみ竜童等を配した脇役陣が無類のヒリヒリ感を醸し出し裏街道の匂いを発散して世界観を担保する。しかも安藤庄平のカメラが絶妙のフレーミングと色使いでそれを補完。これは拾い物だ。[投票]