★3 | 美女と野獣(1946/仏) | 商人(マルセル・アンドレ)が旅の途中で森で迷い無人の古城に辿り着き、その庭で末娘のベル(ジョゼット・デイ )に頼まれていたバラの花を折り取ったところに野獣(ジャン・マレー )が現れバラの替わりに命を貰うと言う。ただし、身代わりに娘を1人寄越すなら許すと言うのだ。ベルを慕う若者アブナン(ジャン・マレー )の制止も聞かず話を聞いたベルは野獣のところに行くことを志願する。城に着いてみれば野獣は思いの他優しく、毎晩7時にベルの前に現れプロポーズをするだけ。そんな或る日、魔法の鏡で父の病気を知ったベルは1週間だけ家に帰してくれと懇願するが…。コクトーの長篇劇映画第1作。 | [投票(1)] |
★3 | 十階のモスキート(1983/日) | 男(内田裕也)は中年の警察官であったが昇進試験に落ち続けいまだに交番勤務。駄目な夫に愛想を尽かし妻のTOSHIE(吉行和子)は娘のRIE(小泉今日子)と出ていった。団地の10階で1人住まいの男はスナックの女KEIKO(中村れい子)や万引女(アン・ルイス)や婦人警官(風祭ゆき)と刹那的な情事を重ね、気晴らしにローンでパソコンを買うと、その返済に苦しみ一攫千金を狙って競艇に手を出してサラ金地獄にはまって行く…。内田裕也が初めて書いた脚本を、これ又デビューの崔洋一が監督し83年毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞(崔洋一)を受賞した。 | [投票(1)] |
★3 | 尼僧ヨアンナ(1961/ポーランド) | 17世紀のポーランド東北辺境の尼僧院で院長のヨアンナ(ルチーナ・ウィンニッカ)以下の尼僧達が悪魔に取り付かれて狂態を演じているとの噂を調査するため司祭のスリン(ミエチスワフ・ウォイト )が教会から派遣されて来た。実は彼の前にも1人の神父が派遣されているのだがヨアンナに情欲を感じた挙句に火あぶりになったのである。恐れおののきながらも尼僧院に着いたスリンは、しかし、ヨアンナの意外な清楚さに戸惑うが…。イエジー・カワレロウィッチの第7作で61年カンヌ国際映画祭審査員特別賞受賞作。 | [投票(1)] |
★3 | 五番町夕霧樓(1963/日) | 戦後の復興も間もない頃、京都の奥地与謝半島の寒村で伊作(新藤英太郎)が死を迎え、彼が築いた五番町の遊郭「夕霧樓」の女将かつえ(木暮実千代)が死を看取りに来た際、樵の父(宮口精二)に連れられて来た19歳の夕子(佐久間良子)は遊女として売られたのであった。「夕霧樓」に連れて来られた夕子は早速に西陣の織元の竹末(千秋実)に水揚げされるのである。竹末は夕子の体にベタ惚れで蜜月が続くが、いつしか、陰気な学生僧の櫟田(河原崎長一郎)が足繁く夕子の元に通い始める…。63年毎日映画コンクール男優助演賞受賞。 | [投票(1)] |
★3 | 狂わせたいの(1997/日) | 終バスに乗り遅れたサラリーマンの男(岡本孝司)は祠女(分島麻実)に教えられた終電車に乗るが乳首に鈴をつけた女(三條ちなみ)が突然現れ踊りまくる。それはピンサロだったのである。追い出された男がタクシーを拾うと運転手の女(丹波橋ミミ)は泥酔いで男は絡まれまくり、挙げ句に女は事故ったのであった。途方に暮れて居酒屋に入ると何故か滑車に吊された店の親爺(木村真束)が女給(芦田朋子)を折檻しまくって犯しまくるのである。包丁で刺され入院し女医(中西陽子)に手術され回復し退院したところで轢き逃げ犯と間違われて監獄行きになるが…。石橋義正の監督第1作。 | [投票(1)] |
★5 | 博奕打ち 総長賭博(1968/日) | 昭和の初期。東京の博徒、天龍一家の初代総長の荒川(香川良介)は兄弟分の仙波(金子信雄)が画策する右翼と組んで大陸進出の手先となることを拒否していたが、突如、脳溢血で倒れ再起不能となった。衆目の一致するところ跡目は一家六人衆の中井(鶴田浩二)が継ぐと思われたが関西からの流れ者であることを理由に辞退し、仙波はおとなしい石田(名和宏)を据えて傀儡化を謀る。中井は刑務所にいる弟分の松田(若山富三郎)が当然、跡目になるものと思ってたが仙波の巧みな工作で石田がとうとう襲名することになってしまった…。シリーズ第4作。 | [投票(1)] |
★4 | あ、春(1998/日) | 一流大卒で証券会社勤務の紘(佐藤浩市)は逆玉結婚で資産家の娘の瑞穂(斎藤由貴)と結婚し1児をもうけていたが、幼少時に死んだと母の公代(富司純子)から言い含められてきた父の笹一(山崎努)が突然父だと名乗って現れたのであった。公代に確認すると、あっさりと、どうしようもない男で死んだことにしていたと言うのである。笹一は図々しくも紘の住む瑞穂の実家に居座り、真っ昼間っから酒を食らって遣りたい放題で紘は義母の郁子(藤村志保)に頭が上がらない。そんな最中、笹一は郁子の入浴を覗き見して、堪りかねた紘は笹一を追い出したが…。無冠ながら不思議と99年度キネ旬ベストテン1位になった。 | [投票(1)] |
★2 | オーソン・ウェルズのフェイク(1974/仏=イラン=独) | 自らを魔術師と称するオーソン・ウェルズが案内役を務める詐欺とペテンと嘘八百の物語。地中海のイビザ島に住む贋作作家のエルミア・デ・ホーリーはピカソ、マチス、モジリアニ、ルノワール等の絵を瞬く間に描き上げてしまう天才。フランスの記録映画作家のフランソワ・レシャンバックも騙されたが、逆にその人間性に惹かれ彼のドキュメントをしようとした。又、伝記作家のクリフォード・アービングはエルミアの伝記「贋作」を書いたが、この男はかつてハワード・ヒューズの偽伝記を書いたのであった。そして美女オヤ・コダールとピカソのエピソードが紹介されるが…。ウェルズの偽ドキュメント。 | [投票(1)] |
★4 | 木靴の樹(1978/伊=仏) | 19世紀末の北イタリア、ベルガモの或る小作農場。バティスティ(ルイジ・オルナーギ)は息子ミネク(オマール・ブリニョッリ)を小学校に入れる決心をする。費用と人手不足を考えると一大決心であった。子沢山の未亡人のルンク(テレーザ・ブレッシャニーニ)は子供を養育院に預ける事を考えるが思い直す。けちのフィナール(バティスタ・トレバイニ)は祭の日に金貨を拾い、ささやかな喜びにひたる。ブレナー(ジャコモ・カバレッリ)家の長女マッダレーナ(ルチア・ペツォーリ)は紡績工場で工員のステファノ(フランコ・ピレンガ)と愛し合うようになるが…。78年カンヌ国際映画祭パルムドール他受賞。 | [投票(1)] |
★3 | HOUSE ハウス(1977/日) | 女子高生のオシャレ(池上希実子)は仲良しグループの夢見る少女ファンタ(大場久美子)、勉強家のガリ(松原愛)、空手家のクンフー(神保美喜)、大喰いのマック(佐藤美恵子)、弱虫のスウィート(宮子昌代)、音楽好きのメロディ(田中エリ子)達と夏休みの計画を立てていたが、パパ(笹沢左保)の再婚相手の涼子(鰐淵晴子)が気に入らずに田舎のおばちゃま(南田洋子)に手紙を書いたのだった。そして、夏休みが来て仲良しグループは、おばちゃまの住む羽臼(ハウス)屋敷へと向かったのだが…。百恵の『泥だらけの純情』の併映作として作られた大林のメジャーデビュー作。 | [投票(1)] |
★3 | 男はつらいよ 花も嵐も寅次郎(1982/日) | 大分は湯平温泉でバイをしている寅次郎(渥美清)は投宿した馴染みの「湯平荘」で三郎(沢田研二)という青年を知る。病死した母の遺骨をかつて女中として働いていた湯平温泉に埋めに来たと言うのだ。親孝行に感動した寅は宿の主人勝三(内田朝雄)とともに仲間を集め供養の宴を開き、たまたま観光に来ていた螢子(田中裕子)とゆかり(児島美ゆき)という2人の娘も無理矢理同席させる。翌日2人の娘と観光する寅は帰京する途中の三郎を捕まえ4人はドライブ。その晩、三郎は螢子に交際を申し出たが突然の申し出にとまどう彼女はフェリーに乗って帰ってしまった…。シリーズ第30作。 | [投票(1)] |
★2 | Wの悲劇(1984/日) | 劇団「海」では次回公演作にミステリー「Wの悲劇」を決め主役の女子大生役を研究生からオーディションすることになる。オーディションのことで頭が一杯の研究生、三田静香(薬師丸ひろ子)は或る日、公園で若い男、昭夫(世良公則)からナンパされたが、気もそぞろであった。そして、オーディションの結果、菊池かおり(高木美保)が抜擢され静香は女中役に…。たまたまやって来た昭夫を誘い自棄酒をあおる静香は昭夫の部屋で一夜を過ごす。やがて、演出家安部(蜷川幸雄)の元、稽古が始まり看板女優の羽島翔(三田佳子)も現れる…。84年キネマ旬報脚本賞・助演女優賞、ブルーリボン賞主演女優賞・助演女優賞、毎日映画コンクール脚本賞・助演女優賞受賞。 | [投票(1)] |
★4 | さらば愛しき大地(1982/日) | 茨城県鹿島地方。小さな農家、山沢家の長男、幸雄(根津甚八)はダンプの運転手として一家の生計を支える。粗暴だが男気があり仕事熱心な男であった。しかし、突然の不幸が幸雄を襲う。息子2人が池で遊んでいて溺死したのであった。背中に子供の戒名を刺青し、酒に溺れて暴力がエスカレートする幸雄にいたたまれず、妻の文江(山口美也子)は家を出る。一方、山沢家の次男で東京で働く明彦(矢吹二朗)のかつての恋人、順子(秋吉久美子)は昼は工場で働き夜は母の飲み屋を手伝っていたが、母が男と蒸発してひとり取り残された。そして、ある日、ダンプを運転中の幸雄はバス停で佇む順子を見て声をかけた…。82年キネマ旬報主演男優賞、ブルー・リボン助演女優賞。 | [投票(1)] |
★3 | ターン(2001/日) | 27歳の銅販画家の真希(牧瀬里穂)は小学校の音楽教師の母(倍賞美津子)とささやかな2人暮らしだが、画廊に自信作を売り込み置いてもらえて少し心が弾む。ワインで母と祝杯を上げた翌日、子供達に版画を教える仕事に車で出かける途中、トラックと衝突事故に遭う。意識を失った真希が目覚めたのは何故か自宅。しかも体には傷一つ無い。手には昨日、図書館に返しに行った植物図鑑。時計は昼の2時15分。そして、恐る恐る家の外に出た真希が見たものは…。『学校の怪談』、『愛を乞うひと』の平山秀幸の監督第9作。 | [投票(1)] |
★3 | 赤い橋の下のぬるい水(2001/日) | リストラされた中年男の陽介(役所広司)は隅田川沿いに住む哲学ホームレスのタロウ(北村和夫)と知り合い、彼が昔に能登半島の赤い橋が見える家に隠したという盗んだ黄金の仏像を捜してくるよう依頼されるが、直後タロウは死に、職も見付からぬ陽介は富山湾に面するひなびた町へ向かう。赤い橋はあっけなく見付かるが、件の家から出てきた女サエコ(清水美砂)の後を追ってスーパーに行くと、彼女は陶酔したようにチーズを手に取って眺めたあと万引きしたのであった。そして、彼女の去った後には水たまりが出来ていた。彼女を追って陽介は家に入ると老婆のサエ(倍賞美津子)が居た…。今村昌平の第19作。 | [投票(1)] |
★5 | 泥の河(1981/日) | 昭和31年の大阪安治川河口。安食堂を営む、父晋平(田村高廣)と母貞子(藤田弓子)と息子信雄(朝原靖貴)の一家がいた。或る日、信雄は鉄屑を盗もうとしている少年、喜一(桜井稔)と出会う。喜一は、その日の朝に食堂の対岸に係留された宿船の少年であった。連れて行かれた宿船で姉、銀子(柴田真生子)と会うが母親の笙子(加賀まりこ)は中から姿を見せなかった。家に帰り報告する信雄に父は夜は船に行ってはいけないと言う。しかし、天神祭の夜、喜一と出かけた信雄はお金を落とし、しょげ返る信雄を慰める為に喜一は船に連れて行く…。81年ブルーリボン賞作品賞、毎日映画コンクール日本映画大賞・監督賞・男優演技賞他受賞。 | [投票(1)] |
★3 | 男たちの挽歌(1986/香港) | 香港黒社会組織幹部のホー(ティ・ロン)には刑事志望の弟キット(レスリー・チョン)がおり、又、父(ティエン・ファン)からも更正を請わていた。しかし、部下のシン(レイ・チーホン)と最後の仕事にと赴いた台湾で敵対組織の謀略から警察に包囲されシンを逃し自分は投降。しかも香港では父が殺される。ホーの相棒マーク(チョウ・ユンファ)は単身敵のアジとに赴き壮絶な銃撃戦の末、壊滅させたが自らも片足の自由を失う。そして3年後、刑期を終え香港に戻ったホーは弟キットから罵倒され、再会したマークも組織から見捨てられ侘しき日々を送っていた。しかも、かつての部下シンがボスとして君臨していた…。ジョン・ウーの第16作。 | [投票(1)] |
★2 | キッドナップ・ブルース(1982/日) | ジャズバンドのバンドマン、男R(森田一義クレジット上はタモリ一義)は、或る日、鍵っ子の少女Y(大和舞)が1人で寂しげに遊んでいるのを見て「海を見に行こう」と自転車に乗せて出発した。旅の途中で出会う様々な人々(淀川長治、岡本喜八、山下洋輔、藤田弓子、桃井かおり、川谷拓三、竹下景子、内藤陳、佐藤B作、室田日出男、宮本信子、沢渡朔、伊丹十三、渡辺文雄、所ジョージ、吉行和子、根津甚八、高見恭子、小松方正等)との交流の末、2人は雪山に辿り着くが…。浅井慎平唯一の監督作。 | [投票(1)] |
★2 | トゥームストーン(1993/米) | 元保安官のワイアット・アープ(カート・ラッセル)は薬漬けになった妻の為に銃を捨てゴールドラッシュに沸くトゥームストーンに兄バージル(サム・エリオット)夫妻、弟モーガン(ビル・パクストン)夫妻と共にやって来た。しかし、街は凶悪なカーリー・ビル(パワーズ・ブース)、ジョニー・リンゴ(マイケル・ビーン)達に率いられる無法者集団に牛耳られていたのだ。そんな中、ワイアットは旧友ドク・ホリディ(バル・キルマー)に再会するが、彼は結核に冒されていた。無法の限りを尽くす集団はとうとう老保安官ホワイト(ハリー・ケリーJr.)を撃ち殺す。そしてワイアット達は立ち上がった…。コストマスの第9作。 | [投票(1)] |
★3 | 豚と軍艦(1961/日) | 基地の街。米兵相手のキャバレーの建ち並ぶドブ板通りは活況を呈していたが、青息吐息の連中がいた。モグリの売春ハウスを根こそぎ取り締まられた日森(三島雅夫)一家である。無い知恵で思いついたのが豚の大量飼育でゆすり・たかり・押し売り・スト破りと何でもやって金をこさえて「日米畜産協会」を立ち上げた。その頃、流れやくざの春駒(加原武門)がたかりに来て幹部の鉄次(丹波哲郎)が応対し殺した死体の始末を欣太(長門裕之)が頼まれ豚に喰わせてしまう。行き違いから事情を知らない一家の食卓に上がった豚を鉄次が食べると金歯が出てきた為、持病が悪化して入院。日森一家の中でも裏切りが続出し屋台骨がガタガタになっていく…。今村昌平の第5作。 | [投票(1)] |