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disjunctiveさんのコメント: 投票数順

★3ラ・ラ・ランド(2016/米)エマ・ストーンが挫折した女優志望者をやる茶番が業界人のオナニーになりそうなところをギリギリでとどまる。事件のたびに、天然隈取りのような、肥大化したあの顔貌の諸パーツが福笑いのようにバラバラになりはしないかと、戦慄が走り続けるのである。[投票(3)]
★3映画 聲の形(2016/日)声を失った人間の内面に言及が少ないのは、台詞に依存してキャラの感情を説明しようとするロジカルな態度の証左なのだろう。 [review][投票(3)]
★4夜顔(2006/仏=ポルトガル)接客業の挙動を精密に再現するはたらくおじさん的ドキュメンタリズムが個室に“微笑メタボ”ミシェル・ピコリの身体を囲い込み、台詞を喪失した彼が一個の生命体として抽出される。 [review][投票(3)]
★4ヘイトフル・エイト(2015/米)ジェニファーの始末に躊躇すればするほど、作劇の作為は露呈してしまう。ミステリーよりも過去の野蛮をオカズにして現代文明の肯定をやる社会小説にますます傾注しているために、作為を隠そうとする意思がない。 [review][投票(3)]
★3エクス・マキナ(2015/英)この文系キャバクラは、嬢への説教を全うできない点で乗れない。AIゆえの機微の読めなさが祟って、好意を確証したことを隠す意思がキャバ嬢にない。この段階で萎える。情報の出し入れが人間を誘導する基本であるはずなのに。 [review][投票(3)]
★4日本で一番悪い奴ら(2016/日)銃の摘発がそこまで特権化してしまう理路がわかりづらい。摘発して得られる利得と銃調達のコストが見合っていない。語り手にも自覚があり、だからこそ摘発が強いられる背景は執拗に説明される。 [review][投票(3)]
★4永遠の語らい(2003/ポルトガル=仏=伊)前編の定型詩のような構造がおよそ5分に一度、同じ状況を繰り返し、レオノール・シルヴェイラの衣装だけがその中で変化を引き受ける。状況が変わらないからこそ、この人妻のお着替えショーが屹立して扇情的となり、眠気がなかなか訪れない。 [review][投票(3)]
★4レヴェナント:蘇えりし者(2015/米)災厄の起原がレオの技量不足にあると見なしてしまえば、恨みの持って行きどころがなくなる。技術的な関心に終始するとなると、一定しないレオの造形がノイズとなってしまう。冒頭の彼と、中盤の逃走者としての彼と、終盤のハンターとしての彼が別人に見える。 [review][投票(3)]
★4リアリティのダンス(2013/チリ=仏)ミュージカルの厚顔さというべき当事者感覚の欠落で掻き立てられる冒頭のパメラ・フローレスに対する苛立ちが、課題を設定し解決するサイクルに彼女が放り込まれると解消してしまう。人間に好意を獲得させる技法が随所で奏効しているのだ。 [review][投票(3)]
★3バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(2016/米)自分が希少であることに由来する矜持が社会環境とリンクするために、社会や政治の表層をただ撫でるようなカジュアルさが個人的な倫理観の追求に遠心性をもたらしている。何が問題となっているのかよくわからないのである。 [review][投票(3)]
★4アンジェリカの微笑み(2010/ポルトガル=スペイン=仏=ブラジル)被写体となったオッサンらが心なしかノリノリになってしまう。あれがいい。静物画の遠近法で生活感のない点景となった人物がかえって徳を構成していて、点景であるがゆえに葛藤が形成されないことが語り手の好意に見える。 [review][投票(3)]
★4ズートピア(2016/米)事態の進行も物語の教条性もキツネにより多くのものが付託されていて、ウサギが当事者だとは言い難い。にもかかわらずウサギの視点で語られるから、キツネの段取りが万能すぎて、物事が円滑に進み過ぎるように見えてしまう。 [review][投票(3)]
★3007 スペクター(2015/米=英)ボンドとボンドガールへの共感がなければアクションが緊張を醸しえない。ではかかる共感はいかにして獲得されるか。課題を抱えたボンドガールに対する人生相談という奉仕がそれにほかならない。 [review][投票(3)]
★4コンテイジョン(2011/米)人が沈着であり続けることと、事態の展開に関連がないのである。非日常に順応してしまった、幾分の諦念を含んだ静寂な空気感は暴動ですら粛々と進行させてしまう。 [review][投票(3)]
★3テッド(2012/米)笑いをもたらしうるような、社会経済のひずみを、これでもかと排除する無菌室のような話である。目指すところは、コメディではなく、ある種の理想郷の描画にあるのだろう。 [review][投票(3)]
★4ゴーン・ガール(2014/米)不思議な感覚があって、怪物性というわからないものから話を眺めようとすると、それは理解できるものであって怪物にはならない。怪物性がこのように欠如しながらも、行動はいきなりサイコになるから、コントという様式以外にこの矛盾を表現する術がない。 [review][投票(3)]
★4グランド・ブダペスト・ホテル(2013/英=独)ユダヤ人が存在しない架空性によって、30年代を舞台にしながら、戦乱がWWIIではなく、むしろそこにWWIが混入するような眩惑が生じている。かかる人工甘味料な風合いは、稠密な美術とのこの上ない相性となる一方で、下敷きにしたツヴァイクの文明的喪失感は希薄化されている。 [review][投票(3)]
★3パシフィック・リム(2013/米)この隊長の源氏物語には、トロの欲望亢進に構造的障害をもたらしている。トロの邪念は、芦田愛菜に鬼気迫る演技をもたらす一方、凛子にはまるで火がつかない。 [review][投票(3)]
★4ムーンライズ・キングダム(2012/米)理屈倒れになりかねない過密な美術は、はっきりと方向を限定されるゆえに運動の徴候を持ち得た画面やキャラクターと劇伴の歩調によって彫琢され、移動をしている実感をともないながら、空間と感傷の旋律線を形成する。 [review][投票(3)]
★3猿の惑星 創世記(ジェネシス)(2011/米)ジョン・リスゴーおとんの急性アルジャーノンとも言うべき怪異なドタバタが、過程や脈略のなさをヒューモアへと昇華している。 [review][投票(3)]