コメンテータ
ランキング
HELP

disjunctiveさんのコメント: 投票数順

★4プレッジ(2001/米)ニコルソンに普通のオッサンをやらせるキャスティングに当惑するところは確実にあって、単なる変化球にしては、老人ホームを訪ねるとミッキー・ロークがいるというようなタイプキャストの明晰さがあるから混乱が増す。 [review][投票(1)]
★3川の底からこんにちは(2009/日)作者が満島ひかりに凡人讃美をやらせる。作者も満島も凡人ではないから、これは厚顔であり話に取り付く島がない。偉いのは遠藤雅で、彼を通して厚顔が無感覚ゆえの哀れみに翻案されている。[投票(1)]
★3トロイ(2004/米)色ボケの無能のせいで殺し合う事態にどう移入すればいいのか。オーランド・ブルームの尻を拭うエリック・バナには苦労人の徳があり、これがブラピと緩い連帯を結ぶ筋となれば、ブルームの無能が有能という現象の引き立て役になる。 [review][投票(1)]
★4AI崩壊(2020/日)この手のジャンルは彼我ともに何でも出来るゆえにスリラーの均斉が保ち難い。 [review][投票(1)]
★4決算!忠臣蔵(2019/日)テクノクラシー賛歌と思わせながらソロバンが状況を動かすことはない。彼らはただ悲酸と無能を計数化することで、無能が無能ゆえに追い込まれる様を簡潔に表現するのみである。 [review][投票(1)]
★3天使のはらわた 赤い淫画(1981/日)男は性欲を美化したいのだがやはり拘泥はあって、そこに女が惹かれるのも無理がある。その曰く言い難さに苛立つ自警団の不条理な迫力が喜劇じみてくる一方、無茶な恋が無茶だからこそ到達できる感傷もある。 [review][投票(1)]
★4フォードvsフェラーリ(2019/米)通例、カット割りで表現するしかない速度の体感をベールは凸凹の面貌で体現する。フェラーリとベールでは負け犬同士の潰し合いにしかならないところへ、スピードとは程遠いジミー大西の骨相がラテン人に軽侮を加えてくる残虐劇。 [review][投票(1)]
★4アウトロー(2012/米)ナルシシズムを異性との不自然な間合いの中で捕捉しようとする実証精神が、市井の人々との偶然の連帯の中に、観念的自由が具体化する瞬間を目撃する。自由をめぐる社会時評がナルシシズムに隷属することで無毒化されて抵抗なく受容できてしまうのである。 [review][投票(1)]
★4残菊物語(1939/日)名古屋での復帰でお徳が女難化している。お徳への未練が菊之助の復帰を拒むトレードオフが出来上がる。名古屋が事実上の結末であって、以降は消化試合になりかねないところを、お徳が邪魔をせぬかどうか、その女難化がサスペンス感をかえって高揚させている。 [review][投票(1)]
★4鮫肌男と桃尻女(1998/日)浅野忠信の徳操が我修院との関係を通じて高く引き上げられる。ギークとヤクザのマッチングをめぐる作者の羞恥が均斉の妙に達すれば、緩い連帯が何かの予兆となる。文系の意欲に負けてさじ加減を誤ると、便利すぎる我修院が関係者の尽力を台無しにする。[投票(1)]
★4SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者(2012/日)鬱積と浄化のサイクルを精緻に構築する審美感は、人間が互いに暴力を振るい合おうと試みて生に身を投じようとする際には、忖度の応酬となる。因果への固執は偶然への嫌悪に基づいていて、能力は捕捉されるという確信に充溢している。 [review][投票(1)]
★4散り椿(2018/日)岡田准一のナルシシズムが西島秀俊の年季の入ったそれに包摂され無毒化され、ふたりのナル合戦に巻き込まれた奥田瑛二と池松壮亮の渋面を享しむゆとりが出てくる。 [review][投票(1)]
★3白い肌の異常な夜(1971/米)熟女の性欲と女の甲斐性。パラメーターの複雑さがペイジの造形を曖昧にしてサイコ化する筋が、イーストウッドの性欲の在処までも乱調させて不明瞭にする。彼の視点に受け手が定着できず、その被る恐怖が見えてこない。 [投票(1)]
★4ライフ(2017/米)技術職というパーソナリティを極限にさらす実験は恐怖をなぜかフェティシズムすらをも内包した粘性の官能として叙述してしまう。 [review][投票(1)]
★4キツツキと雨(2011/日)基本は業界人の自慰であり役所広司はオカズに過ぎない。しかし、自慰の道具ゆえの惹かれ方の極端さが無骨の徳を謳う。その度量は婦人会の竹槍の件になると復辟する。演出に対する助監や技術職の叫びが轟くのである。 [review][投票(1)]
★4殺し屋1(2001/日=香港=韓国)菅田俊のアイドル映画でないか。定型サイコの浅野忠信よりも、この苦難を消化する菅田俊の方がよほどアレではないかと。彼が受け手の常識を担うほどに益々、常識から外れていく。この認知の不協和はたとえば、電話口での不明瞭な口舌として露見する。 [review][投票(1)]
★4つぐない(2007/英)マカヴォイの堺雅人状のサイコパス顔にナイトレイの受け口が咬み合うと、慄くような艶冶になる。これはかみ合わせの映画であって、達観しがちなマカヴォイには憐憫の余地が少なく、切実さは心象ではなく地勢に託され、男はダンケルクの立体的な浜をさまよう。 [review][投票(1)]
★4WOOD JOB!(ウッジョブ)〜神去なあなあ日常〜(2014/日)この強烈な未来傾斜原理の物語は死後の地上の実感を信仰として捉えている。しかし、無辺際という染谷将太の徳が霊媒となったとき、それは下心をも宰領し、誇示なき自己展示へと発展してまさみを惹いたのではなかったか。 [投票(1)]
★4アヒルと鴨のコインロッカー(2006/日)濱田岳の生活感が瑛太を巡る事件の如何にもな道学臭に至ってしまう諧調のなさを戯れとして消化しようにも、メルヘンは獰猛に受け手の馴致にかかる。これは何か。 [review][投票(1)]
★4ザ・フライ(1986/米)ジェフへの憐憫を全うできたジーナの徳が、もはや退治の可否をめぐる緊張を許さない。その徳は肉体が人格を宿すという男の信仰を包括する。相反する感情から嵩じてくるやさしい心持の揺曳は陰惨なセンチメンタリズムそのものだ。[投票(1)]