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煽尼采さんのコメント: 投票数順

★2ガマの油(2009/日)全体的には脚本、演出共にそう悪くはないが、ヒロイン・光(二階堂ふみ)の鬱陶しさが半端ない。三歳児がそのまま大きくなったような言動は、最初の内は明朗さとして許容可ながら、その一本調子が続くにつれて苛々する。 [review][投票]
★2ラブリーボーン(2010/米)これがあの『乙女の祈り』を監督したピーター・ジャクソンかと疑うほどに叙情性を欠く。LOTR三部作の成功でCGも自在に使える解放感に満ち溢れても見えるが、ドラマより幻想シーンに凝ることに夢中になりすぎだ。やたらと動き回るカメラワークも鬱陶しい。 [review][投票]
★3WATARIDORI(2001/仏)僕が観た安田成美がナレーションを担当している日本語版では、脚本と演出が久世光彦らしいので、ジャック・ペラン監督の意図にどこまで沿っているのかは分からないが、鳥の心情を擬人化して語るのが鬱陶しい。 [review][投票]
★3エルマー・ガントリー 魅せられた男(1960/米)バート・ランカスターの演劇的で大仰な演技も、長尺に付き合う内に慣れるが、彼の口八丁手八丁が信仰復興を社会現象化する事態への批評性に乏しい。冒頭の字幕は明らかに誇大広告だし、それ自体が主人公の詐欺師ぶりに沿っていると見ても詰まらない。 [review][投票]
★417歳の肖像(2009/英)原題の「AN EDUCATION」に忠実に、優等生少女が勉学というEDUCATIONと、大人の男による人生の勉強というEDUCATIONを天秤にかける。この主題の処理は半端に終わって見えるのだが、その半端さ自体に人生についてのEDUCATIONを込めたのかどうかは不透明。 [review][投票]
★2地獄のバスターズ(1978/伊)B級テイスト溢れるオープニングの期待を裏切らぬ、ろくでもない野郎どものアナーキーな逃避行が展開する内は愉しませてくれるが、折角の味が終盤になって台無しに。野郎どもが「野郎ども」でなくなってしまうつまらなさ。 [review][投票]
★3魂のジュリエッタ(1965/仏=伊)祝祭的でカラフルな色彩が、ジュリエッタの魂に侵入する他者の多様さ、ひいてはジュリエッタの混乱を現出し、登場人物の顔が影に隠されるショットの頻出は、自他の境界が曖昧になり、自分の魂の声を見失いそうになるジュリエッタの暗中模索を表象する。 [review][投票]
★3曲がれ!スプーン(2009/日)可愛いはずなのになぜか瞬間的に不細工になる時がある長澤まさみの「普通さ」が良い作用。超能力者の「あるある話」的な日常感や、ちょっとした緊張感をとぼけた雰囲気で包み込む構造など、気楽に観る分には悪くない。 [review][投票]
★2ボウイ&キーチ(1974/米)アクション演出が凡庸さにすら達しないアルトマン。むしろその抑制が、高揚無きシニカルなアウトロー浪漫を醸し出すが、そんなにシニカルな目で見るのなら最初から撮ることないのにと思える単調さが苦痛。 [review][投票]
★2疑惑の影(1943/米)書割のような「平均的アメリカ人家庭」という背景の中の一つの駒として以上の演出が施されないジョゼフ・コットンの勿体なさ。二人の「チャーリー」の対比も機能しきれず、仕掛けが仕掛けとしての人工性の域を出ない退屈。最悪な音楽。 [review][投票]
★3パリ・オペラ座のすべて(2009/仏)非日常としての舞台とその裏の準備作業が「日常」そのものである「オペラ座」という時空間。 [review][投票]
★3ゲッタウェイ(1972/米)銃付き『イタリア旅行』。 [review][投票]
★3スペル(2009/米)生理的嫌悪感を誘う要素や、突然の大音響で驚かせる、殆ど物理的な衝撃で観客を驚かす演出には、サービス精神を見るべきか、演出の短絡さを嘆くべきか。野暮ったい俗物ヒロインも、その人格的なくだらなさが不徹底なせいで笑いに転じることなくただ不快。 [review][投票]
★44分間のピアニスト(2006/独)このヒロインの徹底的な反逆心は、音楽の絶対的な肯定性そのものだ。倫理も人間性も愛も社会も恩義も優しさも、一個の才能の開花の枷となるならば唾棄すべきであり、むしろ、人間に与えられた可能性としての“genius”の為に全ては在るべきなのだ。 [review][投票]
★1神童(2006/日)成海璃子が設定年齢より大人びすぎていて、多くのシーンが奇怪な印象に。中学生なのに、大学受験を控えたワオ(松山ケンイチ)と同年代に見え、二人の関係性が悪い意味で曖昧。速さと正確さばかり競う演奏シーンや、甘ったるいテーマ曲にも辟易。 [review][投票]
★2レイン・フォール 雨の牙(2009/日)寄りの画の多用。細切れなカット割り。指摘するのも徒労なくらい最近の常套手段となったアクション演出。サスペンスシーンも、空間把握・人物配置による緊迫感がまだ弱い。専らザコ相手に奮闘するレインには凄みが感じ難く、ヒロインとの関係はベタに過ぎる。 [review][投票]
★3ピアノの森(2007/日)ピアノの透明感ある繊細さと、海(上戸彩)の野生的な才能とを体現する「ピアノの森」の静寂と光は幻想的なのだが。『鉄コン筋クリート』で少年の声を演じた蒼井優は収録中「声が艶っぽい」と指摘され修正したらしいが、上戸は注意されなかったのか? [review][投票]
★3大いなる西部(1958/米)原題の「Big Country」は劇中の台詞にも何度か使われるが、その西部の広大な土地よりも更に広い海を知る東部の男が、「水」を巡る争いに介入する。「Big Country」の狭さを描く反西部劇性。だが彼もまた超越者ではない。 [review][投票]
★3病院で死ぬということ(1993/日)ディゾルブやフェードイン&アウトで紡がれる緩慢な時間感覚が、ベッドの上で動かずにいる生活の、静けさと停滞感を醸し出す。温い蒸留水のような、清潔さと微温感に包まれる画面。スクエアな優しさによって些か事態がぼやかされている気もしないでもない。 [review][投票]
★2若草の萌えるころ(1968/仏)赤い花、赤いカーディガン等、さり気なく「赤」で結ばれていく一夜の物語。その手並みは繊細なものだが、所詮は小娘の衝動的かつ無防備な幼稚さに終始つき合わされて終わるだけ。 [review][投票]