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[コメント] 地獄のバスターズ(1978/伊)

B級テイスト溢れるオープニングの期待を裏切らぬ、ろくでもない野郎どものアナーキーな逃避行が展開する内は愉しませてくれるが、折角の味が終盤になって台無しに。野郎どもが「野郎ども」でなくなってしまうつまらなさ。
煽尼采

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ドイツ軍の制服で変装していた特殊部隊の精鋭が、戦場から脱走したロクデナシどもにドイツ軍と間違われて皆殺しにされるという展開。緻密な作戦の為に訓練され、偽装していた者たちが、勘違いで壊滅させられるというナンセンス。制服一つで「殺っていい/殺っちゃだめ」が区別されることへのブラックユーモアとしても、そのミもフタも無さがいい。冒頭からのアナーキーさが極まった瞬間だ。

だがここから後の終盤は、「野郎ども」の映画から「漢(おとこ)たち」の映画に変貌してしまい、一気に凡庸かつ退屈なアクション映画に堕す。例えば『アルマゲドン』のように、男たちの英雄的行為そのものがバカバカしい熱血さに浸されていれば、全篇通してのテイストが保たれるのだが、本作は急に生真面目になってしまったのがいただけない。

リーダー格の軍人がサングラスと軍服で登場した瞬間、「あ、『イングロリアス・バスターズ』のブラッド・ピットだ」とすぐ分かる。グラサン外すと別人だが。

(評価:★2)

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