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[コメント] グッバイ、レーニン!(2003/独)

母が信じたものは、体制としては崩壊しても、息子には伝わっていた。国はすっかり変わっても、小さな関係の間ではしっかりと守られたものがある。そこがとても感動的だ。笑わせながらも、「大切なものとは何か」という愚直な問いを実は断固として問うている。
ツベルクリン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ラスト近くで、母が、テレビの(捏造された)ニュース画面ではなく、息子の後ろ姿に向かって「すばらしいわ」と言う。もちろん母は社会主義体制が倒れたことは知っている。しかし息子の理想の中に、自分の理想の反映を見ている。社会主義や資本主義や、そういう主義の対立を超えた何かが残ったということ。つくられたニュース映像で実際とは逆の世界の転変を描いてしまうという発想の面白さもさることながら、ミクロな関係性を手探りで見つめ続けようとする姿勢に共感する。思い返すほどよい映画に思えてくる。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (12 人)甘崎庵[*] りかちゅ[*] あき♪[*] 緑雨[*] らーふる当番[*] 水那岐[*] づん[*] しゅう 町田[*] はしぼそがらす[*] ねこすけ[*] ころ阿弥[*]

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