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[コメント] ビューティフル・マインド(2001/米)

この映画の見方が最初から最後まで分からなくて、わたしは途方にくれた。普段はお気に入りの映画館と椅子のはずが、とても座りごこちが悪かった。そして、その本当の理由はうまく言葉にできないのだけど。
ALPACA

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







■何度か書き直したのですが、以下、下の残骸も「どこが嫌いなのかよくわかってない」という結論だけかもしれません。まったくもって何を書いているのかわかりません。とりあえず、言葉にしようとしたのです。という奮闘のあとを。

そもそも、辛い映画と思われる映画は、見に行かない。この映画は多少の事前情報はあったものの、こんなに自分にとって観ていて辛くなる映画とは思わなかった。

ハリウッド映画的文法にキレイに則ったラストのペンを差し出される場面やスピーチの場面は大好きです。事実とは全く違う夫婦の出来事をハリウッド的愛の嘘話で包んでしまったところもアリでしょう。ラッセル・クロウの、観るほどに細かい演技も好きだ。

わたしがこの映画を見て辛くなったところを言葉にしようとすることを難しく感じてしまうのは。それは、アカデミー賞を独占しようとかという拍手を浴びた名作らしいという所ではないし、どれだけ事実を変えて、きれいに包みなおしているのかという部分の所でもない。観た感じたままの言葉を使うと、この映画の病気の描写が、好き嫌いではなく。違うのだ。またしても、わたしには受け入れられなかった。そして、これが実在の人物であるところが、ただでさえ貧弱な語彙力のわたしから、言葉を見つけだす力を奪う。

それは今までのアメリカ映画が描いてきた「分裂病」という芝居はフィクションであるが故に、感動の小道具として使われてしまうのも、顔をしかめることがあったにせよ、観ることができた。それが、この映画では、現在も活躍されている人物の半生記なのだ。事実でなければならないはずなのだ。

映画は映画だ。としてだけ考える。 わたしが、天才数学者の恋愛物語りとしても、喪失と再生の物語としても、この映画に感情移入が全く出来なかったのは、演技は見事なのだけど、映画的人物の創り方のどこかが(わたしにとって)間違っていたと感じてしまった。ということで、それはやはり、あまりに中途半端な自伝の創り方の大部分が、わたしの体にある、ダメな音をたてる鐘を鳴らした。ということなのかもしれない。

観終わったあとの胸の奥に残った嫌な気持は、しばらく消えない。それは、やはりきちんと自分でも理由がわかってないからかもしれないし、あるいは、考えたくないことを考えてしまったことなのかもしれない。

---------  >coe様  字幕の「フィールド賞」は、日本で普通は「フィールズ賞」と呼ばれているもののことかと思います。

(評価:★2)

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