コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] I am Sam アイ・アム・サム(2001/米)

You always say "it's wonderful choice," but yours is the best. [ユナイテッド・シネマ入間9/SRD]
Yasu

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







これは、タイトル通りサムの視点から語られる物語だ。

最初のうちは、手持ちキャメラを多用した、揺れる画面が気になった。が、やがて気がついた。このキャメラワークは、サムの見た目なのではないか、と。

サムが証人として立った審理のシーンで、質問攻めにされたサムが追い詰められていくに従って、キャメラの動きも一段と激しくなる。サムの動揺を示しているのだ。

見ようによっては唐突とも思える(しかもそのシーンにあまりに合いすぎてベタな)ビートルズナンバーの挿入も、やはりサムの心の中に流れている曲を観客に聞かせているということなのだろう。

それが分かれば、この映画が誰の側に立って作られたものなのかも自ずと分かってくる。製作陣は「サムを描く」だけでなく「サムに語らせる」ことをも選んだのだ。ビートルズと映画(『クレイマー、クレイマー』などいくつもの映画が効果的に引用されていることにも注目したい)、そして社会的弱者への愛のなせることだろう。

この社会は、一見誰にでも平等に権利を保障している。サムのような社会的弱者にも仕事はあるし、ホームレスの女性でも病院で出産できる。生まれた子どもは里子に出せるよう世話してもらうこともできるのだ。そうしておけば幸せになれるというのが、この社会の言い分なのだ。ただ、実際サムとルーシーにとっての幸せは、社会が考える“幸せ”とは違っていたというだけの話だ。

それでは、社会が押し付けようとした“幸せ”には、いったい何が足りなかったのか?

愛だよ、愛。

Love is all you need.

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (25 人)モノリス砥石[*] tat IN4MATION ベルガル starchild ゼロゼロUFO[*] ババロアミルク[*] ペンクロフ[*] じょばんに RED DANCER[*] peacefullife[*] ホッチkiss[*] あき♪[*] 鵜 白 舞[*] イライザー7[*] Pino☆[*] 死ぬまでシネマ[*] はっぴぃ・まにあ[*] 奈美[*] ruru ゾラゾーラ[*] 町田[*] 山本美容室[*] Kavalier[*] Myurakz[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。