私事で恐縮ですが、実は私は心の病で以前勤めていた職場を退職したという経験があります。おかげさまで今は月に１、２度の通院治療というレベルにまで収まり、新しい仕事も軌道に乗りつつあるのですが、自宅療養を余儀なくされていた時期は本当に辛い日々でした。人間という者は弱い者で、症状が悪化すればするほど自分の殻に閉じこもってしまうものです。けれども、そんな私を見捨てずに心から心配し、あせらず、ゆっくりゆっくりと見守り支えてくれたのが妻でした。もちろん病気の質、重さに関しての違いは理解しているつもりですが、私にはこの映画でジェニファー・コネリーが演じたアリシアと私の妻とがダブって見え、改めて妻に対する感謝の思いを抱いたところです。そういう意味ではラストのジョンのスピーチは私自身の思いでもありました。 　自分にとっての特別な映画とはまさにこのような映画のことを言うのでしょうね。 　私の妻がこのレビューを読むことはないと思いますが、私はこのレビューを彼女に捧げたいと思います。 　よしこ、本当にありがとう。