コメンテータ
ランキング
HELP

けにろんさんのコメント: 更新順

★4人生とんぼ返り(1955/日)マキノお手の物の題材でルーティーンなのだろうが、ため息が出る程の安定感がある。森繁山田五十鈴のかけ合いの巧さは『夫婦善哉』の淡島とのそれに匹敵する至芸と言って良い。[投票(1)]
★3イル・ポスティーノ(1995/仏=伊)偉大な詩人で政治家というのがノワレでは柄じゃないと思うし、無学な者と触れあい啓蒙し又虚飾なき思いに自らも打たれるにしては、そのエピソード群のインパクトの無さ。この種の映画としては媚びがないのが救いだが余りにストレートすぎる。[投票(2)]
★1ボーイ・ミーツ・ガール(1983/仏)80年代を代表するインディーズ出の3人(ジャームッシュカラックススパイク・リー)のブレイク前の作品が揃いも揃って青くて観念的なのは或る意味出来過ぎだったような気さえする。[投票(1)]
★4インソムニア(2002/米)冒頭の氷雪世界からして映画の魅力とはストーリーもさることながらムードの醸成であると再認識。諸刃の剣のアップ多用をパチーノの味でモノにし、稚拙なフラッシュバックへの不満も遠のいた。ウィリアムスの抑制もこれ又強烈な味わい。[投票(6)]
★5チョコレート(2001/米)愛無き3代の父と息子の葛藤も母の肥満ガキへの憎愛も痛い。楽しい事など何も無い人生で偶然に手にした小さな幸福だからこそ身に染み入る。SEXが愛の根拠たる事をてらいなく描き清清しく、2転3転する女心を終局の10数分で描いた演出と演者は出色。[投票(18)]
★4ビクター/ビクトリア(1982/英=米)全く期待せずに、こういうのを見たときに心底アメリカ映画は良いなあ…と思わせる…そういう作品。てらいが無く泥臭い笑いを振りまく一方でミュージカルの伝統というものを思わずにいられないセンスの良い振り付け。[投票(1)]
★4ポセイドン・アドベンチャー(1972/米)「モーニング・アフター」の調べと豪華客船での新年のカウントダウンという設定があるからこそ急転直下に始まる地獄行が帯びる一種の哀切味や、キャラクターが外見と正逆な内面を露呈し始める巧さは、先を急ぐだけの現在の映画には最早望めないもの。[投票(6)]
★3赤線地帯(1956/日)ピークを迎えた女優と忘れられクスブってる女優を、その通りの配役で使う冷徹さが溝口溝口たる所以だったのだろうが、若尾の挿話は図式的で木暮三益の部分が胸に沁みるのも溝口だったからこそとも言える。[投票(8)]
★3トータル・フィアーズ(2002/米)現実はそんなものだとしても、世界の終末の到来を余りお手軽には描いて欲しくない。米も露も簡単にゴーサイン出しすぎ。それがジャック・ライアンの色恋に割かれた為ならバランス感覚の欠如と思う。その瞬間を爆風のみで処理したのも簡潔とは言え物足りない。[投票(5)]
★4僕らはみんな生きている(1993/日)これだけの大風呂敷を広げて最後まで馬脚を現さないというのは紛れもなく才能であると思う。国際社会に於ける日本や日本人論を巧みに避け男の友情話にもっていったのが正解であった。そして、その友情が見ててこっ恥ずかしくないのがいい。[投票(1)]
★3星の王子さま(1974/米)王子さまとパイロットに関しては精一杯原作の挿絵のイメージをなぞってるにすぎないが、ラーナーの楽曲にドーネンの演出という50年代ミュージカル体質とボブ・フォッシージーン・ワイルダーの70年代ダンスが激突する様は見物。[投票(1)]
★4青い春(2001/日)ありがちな家庭環境とかの背景を一切削ぎ落としたのは映画の純度を高めてはいるし、語り口も切れが良いが、傍系人物のわかり良さに比べ主人公の虚無感がどうにも借り物臭い。演じる松田龍平が所詮ボンボンだからだろう。[投票(3)]
★1ユニバーサル・ソルジャー(1992/米)重装備で幕を開け肉弾戦に収斂してしまうのでは構成自体も悪いとは思うが、オーバーに言えば10年に1度の顔合わせを物に出来なかった格闘音痴のエメリッヒよりも、それを選んだセンス無き阿呆プロデューサー共に怒りの鉄拳は向けられるべきであろう。[投票(3)]
★3ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000/英=独=米=オランダ=デンマーク)障害があって貧乏で産んだ子も障害があり不条理に死刑された人は多分いくらでも居るだろうし、そういう人が友でも救う術無く見守ることしか出来なかった人も多く居るだろう。映画は冷徹に描写する以外に何が出来るだろうか?デジカメの流れる映像が残念。[投票(6)]
★4拝啓天皇陛下様(1963/日)映画では地獄みたいな軍隊ばかり描かれるが、良き上官と良き戦友に恵まれ、案外このヤマショーみたいのが実感の人も多かったかも。やがて、大陸で殺戮マシーンと化して行くとしても…なんて考え出すと楽しめないからやめといた。[投票(9)]
★3ホット・ショット(1991/米)カッコつければつけるほど何かおかしい確信的天然のチャーリー・シーンの登用が成功の要因。壊れてハジけるにも物を言うのは「思いこみ」でこなして来たそれなりの芸歴。元ネタは観てないが文句無く笑える。[投票(1)]
★5アイズ ワイド シャット(1999/米)最先端の過激度は無い替わりに極上の器が用意され、鬼面人を驚かすハッタリの替わりに揺れ動く心の襞の細部をも精緻を凝らして描くキューブリックの新局面と思われたのに…。クルーズキッドマンのかけ合いには後期ベルイマンの匂いがある。[投票(6)]
★3越後つついし親不知(1964/日)三國佐久間小沢と物語の主軸が変遷する様が計算ではなく成り行き任せでそうなったような構成のばらつきが惜しいが、終盤の3分の1は泣けた。水上ものとして前年の『越前竹人形』とかなりカブるが佐久間若尾に比肩し得る良さ。[投票(3)]
★3スパイキッズ(2001/米)主役の姉と弟に、胡散臭い愛らしさが無く変にヒネてもないのは良いが、対するのが、ガキ大人とガチャピンみたいな連中で、ロドリゲスが、そういうお子様ワールドに耽溺してるらしいのが、ついていけない。[投票(3)]
★3最後のブルース・リー ドラゴンへの道(1972/香港)蹴り上げた足先で瞬時にこなす2つの動作に目を疑い、殴り蹴る際の烈迫の気合は「闘う」ことの初源的な意味を思い知らせる。バレエの如き振付けクンフー映画では味わえない本物の興奮。敵役ノリスの扱い良く、リーの三文芝居もご愛嬌で許せる。[投票(4)]