★2 | アルゴ探険隊の大冒険(1963/英) | オッサンオバハンめいた神様連が高所から人の生き死にを左右して蘊蓄たれるのが、もったいぶって何様やねんと思えてしまう。チャチなデキレース見せられてるよなもん。ダイナメーション関係ない巨大半魚神オッサンの戦慄の存在感だけが経年劣化に耐えている。 | [投票] |
★3 | unknown アンノウン(2006/米) | 5人の男達の葛藤の関係が琴線に触れることもなく哀しいまでに謎解きの1点にのみ収束せざるを得ない展開に表層的な芸の無さを感じた。そして、その謎解きも深淵でもなんでもない結果で安心だぜ!ってなもんでフラシュバックも安易な取り敢えずの及第点映画。 | [投票] |
★4 | オオカミの家(2018/チリ) | 変容し続ける被写体と背景に合わせ微妙に大胆にカメラアングルも変化し3次元と2次元の境界が融解するその連鎖は恐怖と悲しみに彩られ静謐なモノローグが悲劇性を増幅させる。希望やユーモアを差し挟む余地などない。そこには絶望と哀しみしかないのだから。 | [投票] |
★2 | 飛ぶ夢をしばらく見ない(1990/日) | 石田えりがミスキャストと言う以前に、これは相当なメイクアップ技術を前提に企画されなければならなかったものの筈である。安易な企画と妥協は、こうも惨憺たる結果を招くということだ。山田太一の自らを晒した切なる思いにこそご愁傷様と言いたい。 | [投票] |
★3 | JOINT(2020/日) | 名簿の件はともかく、ベンチャー企業への侵食が足蹴にして食い潰すでなくまともにビジネス成功させようとするあたり一体何の映画見てるのかハラホレである。で、組の内紛に巻き込まれジャンルの残滓を纏い始めるが、所詮は枠外に留まる為残尿感は免れない。 | [投票] |
★3 | 破戒(1962/日) | 冒頭の屠殺場面で感じた崑の才走り感が何となく邪魔。物語の本質を外しているわけではないが、微妙に根幹に訴求し切れてこない。ひとつの題材として完璧に料理しましただけでは喰い足りない。端正なモノクロの粋とも言える宮川撮影も同根に思える。 | [投票] |
★4 | こんにちは、母さん(2023/日) | 山田十八番の女の堰き止め切れぬ思いの発露を経て、辿り着いた境地が母としてのささやかな日常の悦びに回帰するあたり、分断された家族の再構築を謳っているよう。それが年寄りの繰り言だとしても聞いとこ思わせる枯淡の味わい。ズレてるとこもあるけど。 | [投票] |
★2 | エマニエル夫人(1974/仏) | 哲人めいたアラン・キュニーによって語られるその実ウブな女を淫乱に導くだけな中途半端な文学臭と、ソフトフォーカスの小綺麗な異国情緒が女たちを大挙して映画館に向かわせた功績は多少認めても、肝心のクリステルがマグロ女で全くそそられない。 | [投票] |
★4 | ヒズ・ガール・フライデー(1940/米) | 出来る部下を取り戻したいに男と女のニュアンスが加味されて倍増された台詞は最早ニュアンスしか判らぬまでも凄いもの見た感はある。ホークスの女ってのはな女性観も笑って済ませたい。でもグラント不在の中盤の記者室の男騒ぎこそらしさ全開で至芸。 | [投票] |
★3 | アクシデンタル・スパイ(2001/香港) | 笑いが弾けきらないジャッキー高齢化の不相応感が重く哀しくのしかかる。ビビアン・スーとの哀切な物語の余韻を終局のカタルシスがぶち壊す構成の拙さ。見えそで見えない町中での逃走劇が最大の見所。そこだけは彼にしかできない至芸と言っていい。 | [投票] |
★3 | 君がいる、いた、そんな時。(2019/日) | フィリピンとのハーフである少年の揺らぐアイデンティティが突っ込んで描かれないのでクライマックスがなんじゃらホイとなる。文学好きの彼が書く小説こそキーワードになり得た筈なのに。校内放送のハイテンションDJが浮きまくるクラスメイトに関しても同。 | [投票] |
★3 | アメリカの伯父さん(1980/仏) | 一見、機知に富んだ構成にも見えるのだが、如何せん肝心の物語が凡庸なので、最終的に「だから何やねん」としか思えないのが苦しい。所詮人間の悩みなんてこんなもんさと思わせてくれないと帳尻がつかないのだ。ヴィエルニ撮影の明度ある画面は美しい。 | [投票] |
★4 | Gメン(2023/日) | 話にならぬ糞モンタージュへの辟易を一旦置いとこ思わせるグルーヴ感。さすらいの転校生VS影番の王道少年漫画は適役とそりゃないわの飛び道具(キャスティング)の食い合わせが化学反応を起こし珍味を超える。死ぬ気でやる奴は必ず誰かが助けてくれるのよ。 | [投票] |
★3 | ダ・ヴィンチ・コード(2006/米) | ローマカトリックをここまで真正面から撃つ物語がよくも大資本で撮られたものだ。肝心の本筋ではなく解説的過去挿話にやたら金をかけて歪つな感じでロン・ハワードの構成への誠実の欠如が露呈する。役者は揃ったが演ることも余り無さそうなのも勿体ない。 | [投票] |
★5 | ぼくの小さな恋人たち(1974/仏) | エピソードが連なり編年記を為すが、劇伴なしの溶暗締めを繰り返すことで情緒的であることを廃して見る者は同一地平に誘われる。悦びや哀しみやときめきや怒りや不安や畏れが来たりて過ぎる少年期の走馬灯。アルメンドロスの採光と移動が全てを刻印する。 | [投票] |
★3 | 愛のコリーダ(1976/日=仏) | 吉蔵の優しさってのが時代への厭世感から来る虚無に根ざしてるように見える。それに対して定は完全ニンフォマニアで吉蔵の心根に惹かれてるわけではなく只管にオチンチンが好きなだけ。心の底で噛合わない愛にはそそられないし、愛の不毛にも振れ行かない。 | [投票(3)] |
★3 | ノンストップ(2020/韓国) | 韓国に潜入した北の敏腕諜報員が積年の末揚げパン屋のオバハンと化するのだが亭主も冴えず娘も不細工なのだ。そういったベタファミリーがベタ承知で押しまくりベタ2乗で不可逆的に突き抜ける。遭遇した敵の攻撃を瞬時に反応し受け止めてしまう件などゾクリ。 | [投票] |
★1 | 聖女伝説(1985/日) | のし上がったるという土性っ骨も見受けられない柔野郎が、それらしいポーズを決めたってダサすぎる。その戦略もオバンをコマすという原始的手法位しか取り柄もない設定では最早スタッフ誰1人やる気なかったのが見え見えだ。レイ登用が限りなく虚しい。 | [投票] |
★3 | 春に散る(2023/日) | キャスティングの妙と各々の力演は味わい深いのだが、話の支点が分散してどっちつかずの印象を免れない。流星の致命傷はなくてよかった。文字通り「春に散る」為の話として佐藤の心の揺らぎこそなのだ。ファイトシーンも迎合的だし肉打つ感に欠ける。 | [投票] |
★4 | 白いドレスの女(1981/米) | 新人監督による絵に描いたように巧い50年代「ファム・ファタール」ミステリーの再現に酔うが、オタク的なオマージュに終わらないのは渇いた色気の大女ターナーのプレーンな美貌とド迫力の賜物。それは80年代が纏った明け透けな肉体性を体現している。 | [投票(1)] |