「小津安二郎」(システム既定POV)の映画ファンのコメント
不良少年(1961/日) |
アバンタイトルは街中。若者たち。歩く女性を映しながら品定めのような会話をするオフの女性たちの声。銀座か?と思っていると、モノローグで「オレは銀座を歩いたことがない。護送車の中から見ただけだ」という声が入る。 [review] (ゑぎ) | [投票] | |
当時の状況は知らないが『あしたのジョー』とかを原体験している者にとっては、やや不十分。しかし出所シーンの惨めさと不思議な希望のようなものがさわやかではあった。 (chokobo) | [投票] | |
不良を演じる本物どもの意気揚々ぶりが、学芸会で張り切るクラスの悪ガキたちのようで微笑ましい。とは言え、世間への鬱憤が貼り付いた彼らの不満顔はドラマの虚構性に埋没せず、主人公(山田君)の仏頂面は一瞬たりとも弛緩することなく、彼の心根を表出し続ける。 (ぽんしゅう) | [投票] | |
物語を通して何かを提起するというよりドキュメンタリズムの荒削りな即物性の生々しさをフィルムに刻印することで完結してしまっている。小宇宙での内ゲバではなく、社会性の中での善悪や正邪の相克といった相対化の試みが無ければ単なる観察記録でしかない。 (けにろん) | [投票] |