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disjunctiveさんのコメント: 投票数順

★4息子のまなざし(2002/ベルギー=仏)一発芸の衝撃が文芸的課題の余韻を残さず、事を制度運用の欠陥というか、単にテクニカルな問題に還元するように見えた。こうなるとガン見せざるを得なくなるのは、バゲットサンドをシマリスのように頬張る福田康夫(オリビエ・グルメ)の愛らしき生態そのもののように思われてくる。[投票(1)]
★3ティム・バートンのコープス・ブライド(2005/英)光彩の抑揚を打ち消し合うように作用する彼我の舞台が、肉の思い出の実効に要する距離感を女に許さず、思慕に堪えざらしむ表現がむつかしくなったように思う。男にとっては、女の嬌姿が同情の散布界をばらつかせる結果になったのではないか。[投票(1)]
★4アジョシ(2010/韓国)モテたくて仕方がないオッサンの欲望自体には咎がないのであって、欲望を隠蔽すべく社会派を衒い始めたとき、初めて邪念が誕生するのではなかろうか。 [review][投票(1)]
★3モンスターズ・インク(2001/米)感染の概念がうやむやになる時点で、この設定が拠る難易度が不明となり喜怒哀楽との距離感が明瞭でなくなる。楽しげなアクシオムを離れ地上に降りたがる動機がわかりにくいウォーリーと同じで、美術やアクションが論理性の免罪符になっていると思う。 [投票(1)]
★3息もできない(2008/韓国)偶然の矯飾を侵すまで、然るべきイベントを然るべき時に投入し、世界を不自然に改変するのは、ただひたすらモテたいと願うオッサンの虚栄心。しかしこの邪念は、キム・コッピの退嬰的な愛らしさを胚胎することで、真実となる。[投票(1)]
★4一命(2011/日)役所広司の中途半端な善人化の余波をかって一方的に糾弾される青木崇高一派に、『十三人の刺客』のバカ殿を偲ばせるような、意図せざる感傷の詩意を見る。三池らしい冷酷な通俗化である。 [review][投票(1)]
★4マネーボール(2011/米)シンデレラマン』と同じ問題を抱えている。相対する能力の分布の均衡が、一様性ゆえにほんの一押しで崩れて、労力がフィードバックした実感に乏しい。ジョナ・ヒルの文系全能感など『ソーシャル・ネットワーク』を超えるものだと思うが、早漏。[投票(1)]
★3剣(1964/日)狭窄した部活動がソシオエコミックとの和解により解放されるのではなく、川津や河野らの価値観がこのインフレに巻き込まれおののく。しかも液状化した世界観に揺さぶられる時、現れるのは恐怖というよりも、不条理な微笑を伴う愉快な浮遊感なのである。[投票(1)]
★4キングダム 見えざる敵(2007/米)何とも後ろめたいウルルン滞在記を紛らわすためには、クリス・クーパーや現地軍の怖いオヤジの姿態に横たわるような悠久たる人間愛に身を任せた方がよほど楽だと思うが、そこをあえて超人化した捜査員らの暴力の謳歌で応えるのはこれはこれで冒険だと思う。[投票(1)]
★3ファイナル・デスティネーション(2000/米)ロジカルなムードに欠いたジャンル話法が食い詰めるのは致し方なく、死亡フラグのピタゴラスイッチの至るある種の盲目化が、キャラの人生に寄り添おうとする受け手を拒絶する。しかし豊饒な徴証の中に自己を見失うからこそ、残る花もある。[投票(1)]
★4カリートの道(1993/米)ドジの応報性がパチーノの悲劇を緩和。他方で喜劇というには構成の欠けるショーン・ペンの文系暗黒面。代わりに、メタボや竹内力らの肉体や知性の特性を利用した空間の解囲劇が、いい年こいたオッサンたちの織りなす現場主義の悲痛を訴える。[投票(1)]
★4黄金の七人(1965/伊)こんなに真剣に教授の幸福を祈っているというのに、このムッツリめ。教授の挙動への心理的接近を裏切るそのオプティミズムは、やがて受け手の女性嫌悪を糾弾し始める。[投票(1)]
★3突破口!(1973/米)ウォルター・マッソーの内面から受け手が閉め出された段階で、彼の禍福を観察して緊張する作劇は終わっていて、むしろジョー・ドン・ベイカーの、仕事と言うには性的すぎる生態と昂揚が主題に上がってくる。[投票(1)]
★3大陸横断超特急(1976/米)造形から意外な職能を引き出して好意を見立てる手管は、相手側のレイ・ウォルストンの職人根性にも反映されるほど一貫しているのだが、この手の愛顧と好意を展開は、情報の開示性ゆえに、切迫感の記述と対立してしまう。[投票(1)]
★4パニック・イン・スタジアム(1976/米)隊長ジョン・カサベテスのナルシシズム濃厚な薄笑いが、飛行船の非現実的な遊離感とともに、スタジアムを祝祭の場に変える。ほぼ全編に渡る壮大な死亡フラグが、絆を取り戻した人々の犠牲を個別的偶然に見せない。[投票(1)]
★4宗方姉妹(1950/日)失う物をなくした大人たちが陽気に爆弾を放り合う。殊に、死期の近いことをにこやかに語って周囲を脅しながらゾンビ化する笠の前では、せっかくの絹代と山村聰の肉弾戦も霞む。高峰への言葉責めも鬼畜。 [review][投票(1)]
★4英国王のスピーチ(2010/英=豪)ヘレナ、嫁に来ないか。 [review][投票(1)]
★4ヒア アフター(2010/米)ジミー大西の魂を眺める享しみを可能にする技術的欺瞞は、暗愁も久しい彼の顔面に微笑が宿るに至り、造形の官能性で以て不毛な自然のスペクタルを圧倒する。その様子を宇宙の中心たる料理教室からシェフが牧者のようなまなざしで見守っている。[投票(1)]
★3ザ・ヤクザ(1974/米)高倉をドラえもん化するオミッションも、高倉という暴力の制御問題と考えれば、エンタメとして不都合はなかったはず。ところが、ポラックのロマンティシズムは、ありもしない当事者意識の在処をめぐって猟奇的に内向する。[投票(1)]
★4X-MEN:ファースト・ジェネレーション(2011/米)物語の自意識が恥への悦ばしい近しさを呼び覚ましている。それは男の友情に向けられた下世話な興味であり、コスプレに抗うリアリズムへの忠誠でもある。やがてヒールを一身に担うケヴィン・ベーコンの微笑みが物語のロジカルな自意識を溶かしてゆく。[投票(1)]