もちろん、この映画、ストーリーとかどうでもよくて、「とにかく映像を見ろ！！！楽しめ！！！」って映画だってことはよくわかる。

しかし、もうこのストーリーは我々が10年も前に過ぎ去ったところじゃないか。いまさらナヴィ族を戦に駆り立てる主人公の無駄に熱い演説に心をときめかせろとでも？

たしかにキャメロン、あなたはひとつの世界を一から構築したのかもしれないけど、大筋はスペイン人に侵略されたインディアンの話だし、something newがなさ過ぎる。誰かが書いた画を、もう一度書き直しただけだよね。確かに絵筆はいいものを使っているようですが。

技術的に凄まじい映像が撮れるようになったからといって、凄い映画ができるわけではないことを図らずも証明してしまったわけです。映画は技術の進歩で撮るんじゃない。いや、それは確かに助けにはなるけど、技術の進歩をみせつけることが映画の目的ではない、ということを痛感する映画。