すると上機嫌になる可愛い親父(笑)。でも、「ゴッドマザー、お願いが…」は効き目なしッス。

オイラが中学生の時、ビデオデッキの機種がＢＥＴＡからＶＨＳに切り替わったのだが、父が記念にと買ってきた初めてのビデオも『ゴッドファーザー』だったなあ。高校の時、夜中になんとなしにそのビデオを見てみたら、最後まで止められなくて朝まで観入ったっけ。そして家族全員で最後に劇場で見た映画が『ゴッドファーザーＰＡＲＴIII』というのも、何か因縁めいてるなあ……

こんなくだらない個人的エピソードを書くのも、この映画に、あまりに圧倒されたから。

「完璧」という言葉はこの映画のためにあるようなもの。ブランド＝「漆黒の太陽」を中心に、それぞれの登場人物が「惑星」や「月」となって、僕には到底理解不能な様々な法則に基づいた「小宇宙」を形成している。弾丸の雨や血さえも星の瞬きに見える。ＳＦ映画でもないのに、呼吸することさえ忘れてしまいそうな「徹底的に構築された映像美」は、まさに宇宙をカメラでとらえたような、どんな言葉も弾いてしまう闇と光にあふれている。

なすすべもなく、僕は、まさにプラトーン状態。