[コメント] アルゴ探険隊の大冒険(1963/英)
なんか匂いがする。
この映画ギリシャ神話を題材に描いているが、たぶん想像だが企画段階でギリシャ神話ということは巨人や骸骨や恐竜を作らなくてはいけない、それも本物みたいにと考えられたに違いない。本物みたいな骸骨や巨人を作ったらこれは受けるぞという考えが一番最初だと思う。そこで人形アニメーションの第一人者のR・ハリーハウゼンが呼ばれた。
この映画には神話から読み取れる人間の欲深さとか神と人間というテーマはない。物語りなんてものもただ映画として存在させるためでしかない。
作る理由になっただろう、ただ「本物みたいな骸骨を見たい!」という欲望こそがこの映画の本質だと思う。
だからこの映画は特撮シーンこそがこの映画のみどころだ。
スピルバーグの「ジェラシック・パーク」はたぶんこの映画と同じように本物みたいな恐竜を見たいという欲望で作られたと思う。しかしスピルバーグはいい人なので教訓やテーマも入れてしまう。
この作品はそんなテーマなんて関係ない、ただ凄いものを見せるんだという気迫だけが感じられる。わたしはそんな無謀なところが好きだ。
骸骨軍団のあざやかな動きはその気迫が乗り移っているように思える。下手なCGよりリアルだ。
この作品はその「特撮技術」ということで永遠に残るだろう。
骸骨軍団の動きを見ていてものすごく柔らかくリアルでどこかユーモラスがあったのはそこには人間のひとこまづつ動かしている気持ちが染込んでいるからではないでしょうか。
CGはどうも匂いがない。特撮には人の気持ちが染込んでいるのでなんか匂いがする。その匂いは臭いかもしれないが私は好きだ。
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