[コメント] ガス燈(1944/米)
ジョセフ・ルッテンバーグの仕事、照明と撮影の素晴らしさ!完璧なフレーム・サイズ!そして全てのメロドラマの手本となるべき視線の演出。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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この映画はまるでヒッチコックと比較されるために生まれてきたような映画だ。ラストまで全く夫を疑わないバーグマンを『断崖』のジョーン・フォンテーンと比較することもできるだろう。前半がヨーロッパの避暑地での幸福に満ちた情事であり、ロンドンに来てからの打って変わったサスペンス、という点に着目することもできる。それに全く驚くことに列車にデイム・メイ・ホイッティが座っていたりして、『ヴァルカン超特急』を見紛わせるようなサービスもある。メイドが白いミルクを持って階段を上がって来たりもする。印象的な肖像画の使い方もある。ラストのオチもヒッチコック的かも知れない。だが、そんなヒッチ映画との類似を全く超越してこの映画は素晴らしい。こんな題材を選んだキューカーは冒険でもなんでもなく自信満々だったのだろう。
映画はカメラを動かすことも、人物を走らせることも、突然の俯瞰も、ミルクに電球を仕込むことも必要ではない。ただ人物の視線を的確に表現するだけで、映画の時間を、緊張を、サスペンスを、映画の感情を描くことが出来るのだ!
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