★3 | 光石研は登場した瞬間、彼の人生は間違いと判る稀有な俳優だ。 [review] (寒山拾得) | [投票] |
★4 | いまさら感動もないバスの窓外の風景を、重い沈黙とともに眺め続ける居たたまれない思い。人間が望まずして「役立たず」に貶められてゆく遣る瀬なさ。ここがどん詰まりではない希望の証しが提示される現在進行形の物語ではあるが、間違いじゃないと断言できる廣木隆一の揺るぎない信念にただ強さを感じ、眩しさを意識する。 (水那岐) | [投票(1)] |
★2 | 長廻しは特定のショットを見出せない為の長廻しでしかないように見え、クローズアップはこれ見よがしの演出意識の沈滞でしかないように見え、人物達のセリフ回しはいかにも説明的に聞こえ、不意に挿入される原子力発電所や核廃棄物処理場のイメージショットは具体的に物語へと止揚されることもない。その事象関連のありがちな挿話が集められているだけに見える。 (鷂) | [投票] |
★3 | 瀧内公美が乗車する高速バスを筆頭に、高良健吾や柄本時生らの自動車など、作中人物の移動が移動手段の明示を伴いながら執拗に画面化され、積み上げられる。これ見よがしな方言使用を控える一方で、効率性を犠牲にしてでもジオグラフィックな正確さを志向した語りは、「土地」の物語において誠実である。 (3819695) | [投票(2)] |
★4 | 止め処ない空虚や埋めきれぬ寂寥や為す術ない孤独に纏めて晒された時に病気にもなれぬならぶち壊すしかない。閉塞された日常を行方を喪失した自分自身を分った風な世間の常識を。全篇死んだ目をした彼女が終盤の回想で感情を吐露して嗚咽する。シュアな構成。 (けにろん) | [投票(2)] |
★3 | 冒頭の霧にけむる冬のおぼろげな桜並木が印象的だ。心身を傷つけれら人間関係までもズタズタに分断された人たちの話しだ。彼らは「頑張ろう」とか「きずな」などという紋切型の“言葉”のらち外にいる人たちだ。そんな正直な彼らの姿が冷静に的確に描かれていく。 [review] (ぽんしゅう) | [投票(1)] |