[コメント] マイ・ボディガード(2004/米=メキシコ)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
やれフラッシュだ二重露光だスローだコマ落としだと、画面のエフェクトが多すぎる。画のサイズも不自然に狭く、手持ちで画面はグラグラ揺れ、情報が受け取りづらく、はっきり言って商品として成立していない。この映画のろくでもない画面効果はまるっきり意図不明で、ただ画面を見にくくしているだけだ。この処理はオープニングだけかと思いきや、全編2時間半にわたってつきあわされる。苦痛である。
ダコタ・ファニング誘拐のくだりなど、各キャラクターの位置関係がまったく判らない。ダコタが走ってる画があるのだが、現場から逃げ去っているのかデンゼル・ワシントンに駆け寄っているのかよく判らない。とにかく引いた画がほとんどないのだ。観客が状況を把握できないように作っているとしか思えず、要はこれケンカ売ってんですよ。木戸銭払った客に対して、意図的に露骨に画面情報を制限して「お前らにはこれだけしか見せてやらん」と言ってんですよ。
こんな映画に出てしまった役者たちも不運で、たぶん現場ではちゃんと芝居してるんだろうけどエフェクトに邪魔されて、芝居なんか見れやしない。
情報規制は脚本の段階からある。例えばデンゼル・ワシントンの過去を全然明かさないのがそれで、ちょこちょこ過去に何かあったらしいと匂わせた挙句ウォーケンが「彼は死の芸術家だ」とか言うんだけど、そんなもん言うだけなら誰でも言えるのだ。あんな一言でオレが納得するとでも思ってるのか。こんなもん空手形ですよ。不渡り小切手ですよ! 言うだけ番長ですよ!
この映画は「何を見せたいか」よりも終始「何を見せたくないか」「何を誤魔化したいか」で作られている。正直言って、そんなもん金払って観たくないんだよな。ダコタが出てなきゃ★1ダコタ!
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