コメンテータ
ランキング
HELP

けにろんさんのコメント: 更新順

★3ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う(2010/日)相も変らぬ情緒過多のグダグダ劇なのだが、少なくとも以前の石井映画では強烈な男達の個性が情緒の何割かを相殺していた。受身な竹中のみでは取り込まれるだけでしんどい。デジカメの即物感は終盤で良い味を出すが全般には矢張り安い。[投票]
★4ジェニファーズ・ボディ(2009/米)女の脚本を女の監督が女主演で撮ったことで、明確に「男ってバッカでどーしようもねー」というコンセプトが発露されM的快楽を覚える一方、可愛い子ちゃんどもがイキがってる様に余裕綽々な高見の見物感もある。その辺がマジとシャレの臨界線上の歪さを付与。[投票(1)]
★4皆月(1999/日)失踪した妻を追うという魅力的コンセプトは放置され、奥田の主人公は共感出来なく面白みも無い。一方で、それを補って余りある北村一輝吉本多香美。規格外の暴力と狂気。予想外のエロスと開き直り。2人が全篇を統治し、又される快感がある。[投票(2)]
★3群盗荒野を裂く(1967/伊)ダミアーニの横移動にはゴダールの匂いがする。『気狂いピエロ』の2年後という製作年を考えると強ち穿った見方でないかもしれない。男としての矜持を貫いたとも言えるラストの居心地の悪さも又通り一遍ではない。ただ、大半はグダグダなのだ。[投票]
★4悪人(2010/日)排他的に個人主義な満島岡田の世代と対峙する旧世代柄本樹木。そして、両者から排除される妻夫木深津がいるわけだが、やはりこれは『パレード』のように並立配置されるべき。力作だが閉じた世界の逃避行劇では惜しい題材。[投票(1)]
★3副王家の一族(2007/伊=スペイン=独=米)多彩な人物が出入りする叙事的物語は結局は父子の相克へと収斂するのであるが、演出の筆力が有りそうで無さそで、どうにも通り一遍でダラダラ感が拭えない。一方、トップクラスの美術と衣裳なのだが、撮影は今いち凡庸。惜しい出来だと一応は思う。[投票]
★4田園に死す(1974/日)故郷を棄て母を棄てた思いが、自責や懐旧のセンチメンタリズムではなく分析的且つ冷徹な視線で語られる。一方、イメージは超絶に土着的で猥雑であるが又過剰に絢爛で豊穣なのだ。そのアンビバレンツを逆しまに嘲笑するJ・A・シーザーの音楽も肝。[投票]
★4十三人の刺客(2010/日)場数を踏んだ者のみが成せる長丁場の戦闘の緩急と構成の妙は素ん晴らしい。だが、序盤で提示された「みなごろし」のルサンチマンは今いち解消されぬまま、ヒロイズムやニヒリズムに置換され、どうにも糞詰まり。一方で役者の全方位的多彩さが超絶に粋なのだ。[投票(6)]
★3ハロルドとモード 少年は虹を渡る(1971/米)現実逃避にしか見えぬ少年の奇行の果てに正体不明の婆さんがいたわけだが、人生訓めいた更正方向ではなく閉じた世界に2人で埋没してゆく被虐性には一応惹かれる。ただ、余りに語られぬバックボーンゆえに所詮は絵空事にしか見えない。ラストはいかしてる。[投票(3)]
★3ダブル・ミッション(2010/米)本気度に欠け全てがお座成りな劣化版ジャッキー映画には一抹の侘しさも禁じ得ない。仕事と家庭という2つのミッションで成功することは、そんなに生半可じゃない筈だと思いつつ、ジャッキーのフヤけた笑顔と跳躍を眺める弛緩した時間のM的諦観。[投票]
★5あの子を探して(1999/中国)ド素人ばかりを使い、わけても主演の女の子の見目麗しくもなく性格悪そうなのがイタリアン・ネオリアリズモな伝統をに立脚してると思うそばから、フランス映画的小粋なエスプリも出してくる。あらゆる映画史に敬意をはらう藝謀の立ち位置の奇跡の理想形。[投票(1)]
★3極道記者2 馬券転生篇(1994/日)1作目に比し濡れ場の充足度も博徒的ヒリヒリ感も減退したが、競馬場とその周辺の切ないまでの貧乏くさい臨場感が俺の郷愁を誘ってやまない。佐藤慶の余りに半端なキャラ設定や一ノ瀬やす子の無意味な踏ん張りも御愛敬か。[投票]
★4エンドレス・ワルツ(1995/日)ベティ・ブルー』のように自我が相克し自傷にまで至る男女の腐れ縁を日本を舞台に描いて嘘っぽくないのが驚異でさえある。ただ、若松演出が新しいわけでもない。完璧に圧倒的なのは主演の2人。一種の憑依が促したかのようなリアクションの応酬。[投票(1)]
★3ピンクパンサー2(2009/米)弛緩ギャグが緩い間合いで繰り出され、お約束事世界に耽溺する自堕落な快感がある。吉本新喜劇に通底する世界。天才セラーズに抗する似非チャップリンめいたマーティンの胡散臭さ。アイアンズ筆頭に無意味に豪華な配役も粋である。[投票]
★3八甲田山(1977/日)2人の旧友が南北から行軍し山中ですれ違うという映画的に高度なロマンティシズムは、現場主義のM的雪中地獄で雲散し、定型のダメ上司との確執劇のみが残った。対比的にモンタージュされる緑の青森の風景がこれ又陳腐で萎える。本物志向は尊重したいが。[投票(2)]
★2カンパニー・マン(2002/米)冒頭から30分は幾何学的構図も決まり物語世界への期待も持続する。しかし、2転3転する展開に感じ始めた既視感は、やがてウンザリ感へと転ずる。カタルシスも悪寒も感じない終盤の帰結。気障な凡庸。[投票(1)]
★4キャタピラー(2010/日)乱歩的SM世界へ傾倒せず、制度から解き放たれる女性自立映画としても喰い足りなく、多くのテーマは表層で流されるのに、若松は大して拘らず、節目での字幕化されたラジオ戦況放送でリズムを付与し強引に物語を綴じた。そこに、したたかさを感じる。[投票(3)]
★5BIRD★SHT(1970/米)「鳥になって大空を飛びたい」などと言うメルヘンチック願望は、完膚なきまでに嘲笑され貶められ、糞まみれの毒で彩られる一大バーレスク。しかし、出演者が皆アルトマンに心から愛されているらしい羨望の楽園の現出。諦念や苦渋さえも暖かい。[投票(3)]
★2漂流街 THE HAZARD CITY(2000/日)外国人カップルが日本人ヤクザに追われるという設定なら、情に棹さすにせよ非情に突き放すにせよ物語強度が要件と思うが、プロットの遊びにかまけてる三池演出が不快。主演2人も弱かった。一方で吉川及川は新味がある。[投票(2)]
★3極道記者(1993/日)題材も出来もニッチな置き去り感濃厚なのだが、やはり望月の描くベッドシーンはエロくて魅せる。又奥田瑛二の粘着体質に白竜川上麻衣子の『凶暴につき』コンビが脇を締めて呼応し低位安定感を醸す様も見物である。[投票]