★3 | 三文役者(2000/日) | それなりに巧妙な竹中の泰司芸ではあるが素でシンクロしたと思わせる瞬間が確かにあったように思える。波乱万丈とまではいかぬ泰ちゃん人生にセットやメイクに拘泥せぬ緩い新藤イズムで対し自身の作品中心の展開でも手前味噌感が無いのは人徳か。 | [投票(1)] |
★3 | TOKYO EYES(1998/日=仏) | どういう訳か世紀末に復刻された70年代ATGアートフィルムの匂い。なので感情の不整合は感性で補ってチョーってな具合の良い塩梅での適当と風景の異郷性が懐旧感を煽る。吉川ひなのの天然なカリスマ性も緑魔子的フシギ小悪魔をトレースして好み。 | [投票(1)] |
★4 | きょうのできごと(2003/日) | 魅力的な構成だが神の視座を謳うのであれば挿話がもう幾つか欲しかった。断罪も救済もしない田中麗奈の主人公に対する作り手のスタンスを図りかねるので肝心の鯨が浮いた。しかし、ダラな1夜の顛末の空気には痛いくらいの既視感を覚える。 | [投票(4)] |
★4 | 学校II(1996/日) | リサーチがもたらした養護学校に携わる人たちのプロフェッショナリズム。それを具現化する演出の力量と役者魂の相克。リアリズムな前半の室内からファンタジックな後半の雪原への展開も閉塞感を解放する。ギリの選択。又これは演者吉岡秀隆の真髄だろう。 | [投票] |
★5 | スリ(2000/日) | 撮影と美術と音楽が静謐に抑制されブレッソンを想起させさえする。黒木が仕掛けた老盟友原田・石橋とのトライアングルが熟成の味を醸し出し、脇を彩る新旧の役者がこれ又ピンポイントで良い味を見せまくる。底辺での据わり心地が堪らない。 | [投票(1)] |
★2 | アドレナリンドライブ(1999/日) | スピードが決定的に欠如しているのでアドレナリンなんてこれっぽっちも噴出しないしドライブ感も全くない。メジャー仕様のお上品な余所行きで青臭さだけが強調される。暴力も欲も更なる過激を!だ。そうであってこそ甘さも際立つのではなかろうか…。 | [投票(1)] |
★4 | がんばっていきまっしょい(1998/日) | 竹中直人不在が象徴する周防的ギミック偏重の邦画潮流からの決別と、芸が無いとも言える典型スポ根にも拘わらず全くベタじゃないという奇跡の混在。その奇跡の結露としての澄み渡ったような透明感が良い。調和的なノスタルジアだとしてもだ。 | [投票(2)] |
★4 | 東京マリーゴールド(2001/日) | 市川準の東京3部作の中では一番好み。終盤のどんでん返しは全く予想外で、それだけにあの男泣きは沁みた。刹那な恋愛ゲームと了解している男と女の甘え合いと見えたその心根の最奥にあるそれぞれの矜持が垣間見えたから。限りなくハードボイルドなのだ。 | [投票(2)] |
★2 | バレット・バレエ(1999/日) | モノクロ撮影が塚本初期のテイストを匂わすが、やってることもまんま同じで、うんざり感も弥増す。何より抗チンピラ戦が女ごときにコロッときて、いつしか抗井川ヤクザにすり代わってしまうのでは勃ったもんも萎む。破綻を描く自らが破綻した帰結。 | [投票] |