★3 | 展開に大した面白みはないが少年労働者たちの豪放な描写が良い。共通の敵を意識することでしか育まれ得ない団結は、愛とも友情とも成り得ない、モロく儚いものであるけれども、しかし、彼らにはそれが必要だった、ということだろう。 (町田) | [投票] |
★4 | 十八人各々の個性を描くという無茶をせずに「十八人」という集団として捉えその無秩序なアクションを一貫して画面に収める聡明さ。造船場の火花や宿舎の暗がり、川辺の風景や野球場の照明落とし。光と影のコントラストを強調し、その空間を冷ややかに切り取る成島東一郎の撮影。松竹時代の吉田喜重作品はどれも一級品だ。 (赤い戦車) | [投票] |
★2 | 高度経済成長に取り残された人々を丹念に描いてはいるが、「だから、何?」って感じ。登場人物たちがギャーギャー騒いでうるさいだけで、演出自体は淡々としてるので、事件が起きても嵐と言う程には感じない。['04.6.28ラピュタ阿佐ヶ谷] (直人) | [投票] |
★4 | いつものアンチロマンな作劇が、まるで嵐を呼ばない日雇いと労組の軋轢という主題に絶妙にハマっている。マーチングバンドの件は、人間を人間以外に解体するを旨とする吉田喜重にして例外的に優しい描写。さすがに十八人が不憫だったのだろう。 (寒山拾得) | [投票] |