コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] カールじいさんの空飛ぶ家(2009/米)

最初の回想シーンでのストーリーテリングの巧みさ、家が最初に飛ぶ時の風船描写の細かさ、日本アニメの良い所を貪欲にピクサーは取り込んでいる。
Master

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







冒頭10分ほどでずいぶんと引き込まれた。カールじいさんがエリーと過ごしてきた日々がどれほど幸せだったのか、エリーに先立たれたことがどれだけ悲しいことなのか十分すぎるほど説明できている。だからこそ、回想シーン直後の周りが開発されていてポツンとカールじいさんの家だけが残っている画に強い説得力がある。

本作において空を飛ぶということはストーリーにおいてさほど重要ではない。浮かんでいる家にあるホースを自分の体にくくりつけて引いていくというシチュエーションこそが重要なのである。家は過去の象徴である。それを守ることを最優先するカールじいさんは結局過去の世界に生きている。

しかし、ラッセルやケビンやダグと冒険をしたカールじいさんは最後に言う。「たかが家だ。」と。過去への固執を捨て、未来へ向かうことを静かに宣言したその台詞に感動を覚えるのである。今回も良作であった。

(2009.12.05 109シネマズMM横浜)

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (10 人)りかちゅ[*] tkcrows[*] ドデカプリオ[*] IN4MATION[*] Keita[*] おーい粗茶[*] サイモン64[*] カルヤ[*] 3819695[*] junojuna[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。