[コメント] 彼女がその名を知らない鳥たち(2017/日)
蒼井優はこの映画にあって徹底的に蒼井優自身である。ひねくれて男に当たる時も、濡れ場を重ねる中でも「そんなシチュエーションの蒼井優」である。だが、恐るべきことにはそれは全く魅力を損なう要因にはなっていない。「イヤな蒼井優」というチャームの塊なのである。演出の見事さもあるが、主となる見どころはそこに起因するものといって言い過ぎではない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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敢えて美点をほかに挙げるなら、濡れ場でベッドに降り注ぐ砂のシャワー。概してベッドシーンは美しく不潔感がない。また、回想シーンの挿入時の効果も上品で嫌味のないものだった。
もっとも、ミステリーとしてはこれでいいんだろうか、と考え込んでしまいもしている。冷厳な現実のくびきからヒロインが解き放たれるためには、ここまでお気楽なハードルを越えればそれでいいのだろうか。現実的には阿部サダヲの犠牲はなんら蒼井の免罪には役立たないと見るのが普通ではないのか。まあ、そこをつっつくのは野暮なのだろうが。
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