[コメント] ピンポン(2002/日)
今年度(2002年)で一等賞になるかもしれないの、ピンポンがオレは。
原作未見。一様に原作のファンにとってこの作品は辛い評価のようだが私は幸いにしてこのマンガを読んでいない。そして、たぶんそれがこの作品の高評価に繋がっているのかも知れない。
まずは卓球の球の音の違いに惚れる。いつもの軽い爽やかなあの音を想像してはいけない。卓球の球でも芯をとらえひねりを加えるとこんな音が出るのかと感心。観ているうちに卓球というスポーツの格がひとつもふたつもあがっていくのを感じた。
卓球という「ハードなスポーツ」を通して描くスポコン青春物語に入るのだろうが、出演者が皆時折弱さを垣間見せ汗まみれにならない。あのドラゴンでさえも自信のなさを垣間見せる。女の子にうつつをぬかす登場人物は出てこない。自分の目の前の白い球しか見えてない。彼らの青春の一頁が見える。しかもこれは一生ではなく一瞬なのだということもちゃんと感じさせてくれる。
控えめではあるが強力なCGも生きていた。しかし、なによりもこの作品は物語として見せた。役者の力量ばかりではなく物語の骨子がしっかりしていた。巧い。そして暖かいものが心に残った。
この夏のとても印象的な出会いだった。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (9 人) | [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。