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エピキュリアンさんのコメント: 更新順

★5ドリアン ドリアン(2000/仏=香港=中国)実在の人物に想を得たとはいえ登場人物たちは素晴らしい存在感。大陸側から香港を描いた物語を初めて見て、そのコントラストにひりひりと感動した。内面を描かない分、その痛みは露わになるんだなー、と思った。でも、登場人物たちはドリアンを何回食べさせられたんだろう。それがいちばん辛いかも(笑)。[投票]
★5OUT(2002/日)脚色とは、こういうものだ、と思わず叫びたくなるような素晴らしい脚本!なぜか日本の映画って、原作に妙に忠実にしようとして失敗するけど、これは、原作に対して映画はAnother possibilityって感じで、原作読んでいても楽しめる娯楽作品になってる。しかし、演出をコミカルに振ってあるのは、なぜ?主婦のダークサイドをもうちょっと感じたかったかも。[投票(1)]
★5クジラの島の少女(2002/ニュージーランド=独)主役の女の子が、奇跡的に素晴らしい!!! さらに、ポリネシアンかアポロジニか分からないけど、おじいさんを始め登場人物の顔と身体が、素晴らしい。物語は典型的なものではあるけど、でも、その神話的な構造のなかで、それぞれに自分ってなに?って言う感じで生きようとする姿に打たれた。しかしニュージーランドって、スコットランドにどこか似ている。空と雲がとても表情豊かなのね。[投票]
★5バットマン・リターンズ(1992/米)第一作でゴッサム・シティをゴシックノワールな世界に仕立ててくれたティム・バートン(プリンスも良かった!)が、さらにそれを押し進めたダークコミックワールドがここにある(ほとんど宣伝文句じゃ!)。ペンギンの怪物なんてよく思い付いたなー。口元がいつも汚いところが、細かいこだわりで素晴らしい。キャットウーマンも切なくて狡猾で色っぽいし。すごい満足っす。[投票]
★3笑う蛙(2002/日)一種の密室劇なので、どうしても『しとやかな獣』を思い出してしまうのでした。なので「覗き」の話なのにカメラはこんなにノーマルでよかったのかどうか。編集のリズムはこんなにゆったりでよかったのか。そのスタイルと、役者たちの適度にコミカルな演技(これは素晴らしいと思いました)とは、なんか違和感があって・・。そうとう好意的な気持ちで観ないと面白がれない気がしました。[投票]
★2マトリックス リローデッド(2003/米)物語はすごく分かりやすいから、エピソードを飛ばしたり時間を行きつ戻りつして話を面白く、スリリングにするのは当たり前なんだけど・・・。そういうレベルじゃない編集ミスのような部分がいくつかあったと思った。とくに前半。時間や空間が飛んでないのに人物の位置がへんなつなぎ方。前作の『マトリックス』でそんな箇所ひとつもなかったので、なんか????という気持ちが最後まで消えなかった。何があったの?[投票(1)]
★3ターン(2001/日)時間がループになっちゃうのは、SFとしては常套的な状況だけど、でもやっぱり人がそういう状況になったら、なにを驚き、何を感じ、何を考えるのか、をしっかり描いてほしかったな。電話は、それを明らかにするための演出的な手段だもんね。職人平山監督が頑張ってるにもかかわらず、脚本が悪いんでしょうね。とくに、台詞が役者さんたちが可哀想なぐらいひどい。[投票(1)]
★5マンハッタン(1979/米)普遍的な真理と肉体の欲望、哲学的な縄張り争いとスケベな策略、人生を賭けるべき目標といま吸いたい煙草がないという不自由、仕事上のモラルと個人的な快楽の正当化・・・。自分では、こうした価値の混乱と複雑な人生を十分考えているつもりだったのに俺ってただの自己中?。めったにないようで、じつは、よくあることだもんね(汗)。[投票(1)]
★3追憶(1973/米)政治的なシーン、とくにハリウッドでの「赤狩り」をきちんと描いていれば、歴史的な名作になったと思う。古典として残ったのは、テーマ曲だけだった。シドニー・ルメットにもウディ・アレンにもF・コッポラにもなれなかった監督は『アイズ・ワイド・シャット』でかなりの名演技を見せるのでした。[投票(1)]
★4天空の城ラピュタ(1986/日)物語はいつもの「神話的自然+貴種漂流話+少女のイニシエーション」なのだけど、人物を除くキャラクター(とくのロボット)や造型、建築、そしてラピュタの巨大樹木との合体が、冴えている。音響も、飛び抜けて素晴らしい。たぶん個々のエピソードだけ観ても、十分に楽しめる。ただ個人的には、男の子に女性をつかうアニメ声の声優がダメです。それと、なんで疑似ヨーロッパなの?[投票]
★3ザ・中学教師(1992/日)平山監督は、物語の感情の流れとツボをよく理解していて、それを最小限で的確に効果的に映像で「語る」ことができる日本で数少ない才能だと思います。ただ、彼は自分が語っている物語に対して、自分自身を遮断しているように感じる。この『ザ・中学教師』も教師の人間としての不完全さを描きながら、それはただ映像による報告のようにニュートラルなのね。[投票]
★2スナイパー(2002/独=カナダ)これだけで一本の映画を持たせようとしたのは、たしかにチャレンジだけど、無理があったんじゃないかなー。全員がいい人っぽくて、ぜんぜんどきどきしなかったし。同じ設定ぽい映画が公開されるようなので、とりあえず、そっちも観てみようっと![投票]
★3しあわせ色のルビー(1998/米=英)大学ではジャーナリズム専攻だったというレニは、きっとシナリオ段階ではもっと異文化間の溝に切り込んだ作品になると判断したんじゃないだろうか。しかし仕上がってみたら、教条的な理念に生きる個人を描くのか、その社会を描くのかがはっきりせずに、中途半端なものになってしまった。でもレニ好きだから、3点![投票]
★5チョコレート(2001/米)とても繊細な映画で、びっくりしました。だれもがそれぞれに絶望したり自分や人を傷つけたりしてるときに、一番嫌悪するところ、あるいは一番辛いとこに、じつは出口があるかも、という控えめなメッセージが美しい。過激なあからさまな人種差別主義者の主人公が、物語の初めからチョコレート・アイスクリームを食べ続けてることが、その希望を暗示している。彼は茶色と白をまぜて食べるのが、好きなのだ。 [review][投票(2)]
★4裸のマハ(1999/スペイン=仏)さすがビガス・ルナは彫刻家だけあって、スペインとフランスの調度やセンスを圧倒的な美しさとリアリティで描き、それに対するスペイン側のコンプレックスまで匂わせていて大胆かつ繊細。激しい肉欲と権力欲あるいは芸術欲に翻弄される男と女たちが、ここでも主役。ビガスは「衝突」とか「摩擦」「軋轢」を人間の大事な絆として肯定する数少ない作家だと思う。[投票]
★3SPY_N(2000/香港)この熱意は買いたい。映画は視覚的な娯楽だから見せ場がちゃんと作られているのには好感が持てます。藤原紀香はどうどうと演技していたけど、類型的なので国際的な価値にはなりにくそうなのが残念。でも想像したよりよかったけど。この手の映画はTVの深夜とかに何度も再放映されて、それなりに儲けそう。それもいいことかも。[投票]
★5座頭市(2003/日)俗っぽさがいい意味で全編に暖かい血のように通っていて、意外性と娯楽性のバランスが絶妙で、見ている私はすごく楽しめました。物語よりも前に出ずに控えめなカメラや編集がリラックスされてくれるのかな。しかも適度に映画の常套句を裏切る仕掛けがあってスパイスもきいているし。ただ殺陣のCGが完璧ではないので殺陣のたびにハラハラしちゃった。[投票(3)]
★3ゴッドファーザーPARTII(1974/米)撮影は凄腕ゴードン・ウィリス。ゴールデン・アンバーの色調の素晴らしいフィルムです。このころ同時に彼は、ウディ・アレンの『マンハッタン』などをモノクロームで撮ってもいて、物語をなめらかに進行させる撮影のお手本のような仕事をしてる気がする。え?関係ないって?・・・なんかねー、コッポラのこのシリーズって我が侭をロマンティックに誤魔化してる感じがしてならないのねー(汗)。[投票(4)]
★5ネットワーク(1976/米)テレビというマスメディアが社会に与えるどーのこーのじゃなくて、そこで働く人々がどうなるのかを描いたものだったのね。先入観で観てなかったんだけど、面白かった。知的な頭脳がすさんでゆく姿や、狂ってゆく様子を、冷酷に見つめていて、恐ろしい。ヒーローが不在なところが「お前も考えろ!」って観ている者にも言ってるようでした。[投票]
★3凶気の桜(2002/日)気分はすごく分かるんだけどね・・・。日常的に、そんな気分になったりすることもないわけじゃないけどね・・・。でも、演出と撮影と編集が、もう最低。ぜんぜん恐くないし、ギャグにもなってないし。『アメリカン・ヒストリーX』や『処刑人』は恐かったし面白かったもん・・・。でも最後に原田の葬式に殴り込みにいくとき高橋に見せる窪塚の表情は、天才だと思ったけど。[投票]