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[コメント] 家族を想うとき(2019/英=仏=ベルギー)

i don't blame you! is it all my fault? ダンサーインザダーク以来の衝撃だね。こっちのほうがファンタジーがない分堪えるわ。 
ぱーこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







お母さん訪問介護、お父さん業務委託の配達員。業務委託だから社会保障はないし、全部持ち出しだ。それで男の子が不良だね。停学2週間食らうわ、万引するわ。妹は情緒不安定。それでもって実際ありそうな問題状況をどんどん持ち出してくる。胸が詰まるばかりで逃げ場がない。

車の鍵を隠したのが妹で「鍵を隠せば昔の家族が戻ってくるとおもったの」というのはあまりに幼い。兄5歳の時、母親のお腹にいたから、9,10歳ごろだと思うが。ここと、父親が負傷したあと兄が回心するのが唐突で違和感。この2点を除けば、まったく蟻の這い出る隙間もなく責めてくる。

救いのシーンは母親が介護に行った先で、利用者さんから髪の毛を櫛ってもらう所。母親が泣く。救われると言うより、漏れ出る感情の行き場を作ったシーンだ。もう一つは万引で捕まった警察で説教される。ほんとこういう事言うんだ。警察の人は。

そもそもなんで映画なんかを見るんだろう。そのことをずっと考えていて、一つは確認だ。状況確認だか真実確認だか、世の中、人間はこういうもんだ、という確認がしたい、それも嘘偽りなく納得する形で。もう一つは願望充足。こうだったらいいなあ、という願望をこれまた安易な方法でなく腹に疑問なく収まる話や演技や見せ方で経験させてほしい。そう思うと、この映画は間違いなく確認の映画だった。深く納得する形で見せてくれた。よって見終わっていい気持ちにはまったくならないけど、本当にこうだよな、と思わせてくれたので★5つ。

(評価:★5)

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