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けにろんさんのコメント: 点数順

★3転校生(1982/日)少年文学故の踏み込めない描写は仕方ないとしても尾美小林共にどっちかといえば中性的キャラなので性の転換という設定が余り際だたってこない。それでもこれは、どう描くかに傾倒していた大林が何を描くかに踏み込んだマイルストーンではある。[投票]
★3007/ユア・アイズ・オンリー(1981/英)ムーンレイカー』の反動と言われるほどには生身のアクションを突き詰めたとも思えないのだが、ロマネスクの片鱗のようなものは若干窺える。ただ、あくまで若干であって適度なのがシラけるところだ。巷間噂されたスピルバーグ登板作をこそ見たかった。[投票]
★3マノン(1981/日)奔放なのか自堕落なのか知らんが男をとっかえひっかえする女に烏丸せつこでは間尺に合わぬが、翻弄される男たちが演者を揃えて各々それなりの精彩を放っているのが見ものではある。出涸らしかと期待せずに見たら案外良かった。撮影と助演陣に救われた。[投票]
★3歌麿・夢と知りせば(1977/日)曲者揃いの役者の面構えの選択に於ける一貫した趣味性も凝りまくりの照明と撮影も実相寺演出は完全な統一感を保っているのだが、エロスの追求という明確な主題を提示してしまっては底の浅さが露見する。爛熟文化の光と影を描くには華が無く影が濃すぎる。[投票]
★3嵐が丘(1939/米)オベロンに若々しく透明な情熱が足りなくオリビエには粗野な反逆のエナジーが足りない。39年のハリウッドではやむを得ないにしても、おっさんとおばはんでは根本的に成立しない。つまらないダイジェストの域をこれっぽちも出るものではないのだ。[投票]
★3オーメン/最後の闘争(1981/米)天使にも準える幼気な子供が悪さするのがシリーズのキモだった筈なのに、おっさんになってしまったのでは妙味を欠く。しかも一大コンツェルン総帥にして政界進出を目論むと大風呂敷広げた割には追われて防戦一方なのが竜頭蛇尾。殺しの見せ場も趣向が平凡だ。[投票]
★3子どものころ戦争があった(1981/日)慎ましやかで良い映画だとは思うが、こういう金髪碧眼の美少女の悲話を多くのエピソードの中から選択した時点で既に売らんかなの姿勢が透けてる気もするし、可哀想というだけではなく現在に繋がる指針をこそ呈示するべきだろう。児童映画の枠に収まっている。[投票]
★3プライベート・ベンジャミン(1980/米)ゴールディによるゴールディの為の映画であるとしても、パープー娘が1皮剥けてキュートでファニーな伝統的アメリカンステロタイプのアイドルとしての成熟を遂げる。その試金石であったろうが、ピークでもあった。軍隊以外のシーンが余りに退屈。[投票]
★3ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう(1972/米)俎上に乗せられたのが数多あるオムニバス形式のイタリア製艶笑コメディだとは推察されるが、充分に咀嚼し薬味を加味して出てきたものとも思えない。要はパロディにもなってないし、ストレートに見るなら大して笑えない。その中でも6話と7話がまあ面白い。[投票]
★3アルタード・ステーツ 未知への挑戦(1979/米)SFXは相当に良いが結局進化の過程を遡行するというアイデア以外に何もなく、ならばいっそのこと生半可なストーリーなんて不要で『2001』みたいにドラッグイズムの果てに哲学し自壊に至れば良かったのだ。よりによって愛だってか。余りに安易すぎる。[投票]
★3バタフライはフリー(1972/米)ヒッピー娘っ子に良識派旧世代はギャフンという良くも悪くもフラワームーヴメントな背景抜きには語れない題材。しかし、終盤の展開に、そういった世代間の相克が直結していかないのでカタルシスがない。ゴールディのアイコン性は鬼面人を威すのレベル。[投票]
★3ブラックホール(1979/米)2001年』と『SW』という2度のエポックを通過したSF映画史に突如「マッドサイエンティスト」や「ロボット」という50年代アイテムをシャレじゃなく大真面目に復刻されても困る。ディズニーの子供向き映画と割り切って見れば悪くはないにしても。[投票]
★3サイレント・パートナー(1978/カナダ=米)サイコなパラノイアと小心な真面目男という構図は何時しか崩れ小心者はけっこう大胆になっていく。その変化を脚本は巧くは衝いてないので何処か大味。確かにクリストファー・プラマーは相当に不気味だが『殺しのドレス』のマイケル・ケインとダブる。[投票]
★3オール・ザット・ジャズ(1979/米)お手盛りの自画自賛映画だとしても、せめて10年早くフォシー自身の主演で撮って欲しかった。ショービズにどっぷり浸かった男の佇まいがシャイダーではどこか嘘っぽい。ロトゥンノを擁してもフェリーニの夢幻の境地にも到達仕切れなかった。[投票]
★3砂漠のシモン(1965/メキシコ)珍奇なイメージが散発され小振りにまとまっているが、ワンアイデアだけの中篇で、脂の乗りきった60年代ブニュエルのものとしては物足りない。悪魔の誘惑は面白く愉しいのだが更なる絶望や恐怖をこそとも思う。ラストの壊し方はらしくて好きなのだが。[投票]
★3北陸代理戦争(1976/日)やたらテンポが良く飽きはしないものの、北陸の田舎やくざの寂寥感がうら寂しさを横溢させ、ルーチーンが退廃へと突き抜けることもないままジャンルの末期感が漂う。山守が分化したような西村ハナ2枚が定型演技で緊張感を阻害するのも弱かった。[投票]
★3異邦人(1968/仏=伊=アルジェリア)一流の匠達が粋を尽くした器に盛られた純文学の贋作だが、終ぞこのムルソーからは真の実存主義的テーゼは見えてこない。原作を絵にしただけならまだしもだが後半の裁判シーンの冗長さが解説めいて自堕落。ただ暑かったから殺したを単に描けば事足りるはず。[投票]
★3さすらい(1957/伊)2度とは戻れぬ過去にしがみついて虚無と絶望の狭間をたゆたう様が、アントニオーニの後のグエッラ共闘作品のような透徹された先鋭ではなく物語の枠に未だ拘泥しており緩く平凡に感じられる。急転直下に流れを断ち切るラストは確かに秀逸ではあるが。[投票]
★3道(1954/伊)対比されるべく書き込まれた粗暴や狡猾と無垢や慈愛が極北的に配置されたのは解るが、クインマシーナが余りに線上から逸脱し無さ過ぎでキチキチでしんどい。ベースハートが逸脱のキーマンだったが力量が無く物語もそのようには組まれなかった。[投票]
★3赫い髪の女(1979/日)過去になぞ興味無く未来なんてどうでもいいという刹那は解る。だが性欲世界に埋没していきそうに見えて、しかし結構リアルな生活者であったりする。その匙加減の問題。日常を引きずった台詞からは、かえって作意が垣間見える気もするのだ。覚悟が欠如してる。[投票]