「いっそ死んでたら良かった。」

この言葉は実際、本気でそう思えるのだろうか。彼女のロシア訪問という行動は「絶対にカレは生きている」と信じるが故だったわけだが、生きているのになぜ帰ってこないのかも真剣に考えていたはずだ。自分を裏切るなど微塵も考えてなかっただろうけど、未だに戦争状態だと思ってロシアの湖の辺りで潜伏しているのだ！とでも想像したのだろうか。まあ、日本でも数人いたぐらいだから絶対に無いとは言えないけど、その確率って宝くじ級。あのストーキングしたイタリア人に「どこに帰れというのか？」と言われても返答できなかった事からも彼女も判っていたハズであろう。本当に死んでいるか、生きていたとしても「帰れない何か」が存在するのだ、と。

という意味では、彼女の旅の主目的はカレが死んでいたと納得する為の旅だったハズだ。たぶん自分では判っていないけども、そうゆう旅だったんだと思う。「行方不明」というのでは自分の人生までもが行方不明になってしまうってヤツだね。ふんぎりを付けるためのロシア訪問。というわけで、あのひまわり畑を見て、墓標を巡って、あの時点で彼女は帰ってくるべきだったのだ。「ああ、ここでカレは死んだのね」と納得して。

なのに、あの墓標を見た後でまた人々に聞いて回るし。おい、それは、もういいだろう？もう帰ろうよ、と。まーだ、納得できないんかね？って感じ。イワンこっちゃなく、出会ってしまった二人。ただただ呆然とする二人。マストロヤンニも記憶が戻ってる様子だ。「本当に申し訳ない」という表情をするリュドミラ・サベリーエワ。そうだよ、あんたが気まぐれに「お！いい男が死にそうで可哀相だ。そうだ、ウチで飼おう！」って、ネコじゃないっつーの。ま、確かに人として救うのはわからんではないが、軍に通報するべ、普通。外国人部隊といっても敵兵なんだから。そもそも家族は反対しなかったのか？ま、マストロヤンニだからな。オレが女でマストロヤンニを拾ったら確かに飼う。調教もする。散歩も行く。ハンマーはどーかな。

　　---------------　話　-　は　-　変　-　わ　-　っ　-　て　---------------

2003年9月17日。フジテレビの単発ドラマで「失われた約束」なるピロ様出演のドラマを見る。二次大戦を神戸震災に置き換え、ソフィア・ローレンを黒木瞳、マストロヤンニをトヨエツ、そしてリュドミラ・サベリーエワを我らがピロ様という最高のキャスティングなドラマだった。ほーら、やっぱリュドミラ・サベリーエワ役が一番カワイイ＜そーじゃない。ま、こっちのドラマはトヨエツと黒木瞳が不倫（というのか？この場合）までしてしまうんだが。で、このドラマを見たせいか、元ネタの『ひまわり』での３人の関係への感情がちょっと変化した（我ながら流され易い性格ですまんと思うよ）。うん、リュドミラ・サベリーエワ。キミは悪くない！キミの方がソフィア・ローレンよりもいい女だ＜おい。ってことで、マストロヤンニが羨ましいって事で＜これこそ、おい！って意見か？。事情が事情なだけに、なんとか３人でうまくやってく方法を３人で相談するってのは無理だったんすかね、本当に。ソフィア・ローレンが「いいよ」って言えば、あとの二人は納得する気もするが。