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[コメント] キューポラのある街(1962/日)

「この自己中心主義!」「自己中心主義!」このワンツーパンチがけっこう効く。なるほど、吉永さんの伝説が少し伝わった。
ピロちゃんきゅ〜

この映画を薦めてくれたのが実の父。

ついこの間の元旦の事だ。この映画の事をなつかしそうに思い出し思い出し話す父の笑い顔が印象に残った。東京に戻ってきてから今年最初のレンタルでコレを借りてきて、兄の家に行った時「キューポラを借りた」と言おうと思ったら、なんと既に別のレンタル屋から「キューポラ〜」を借りているのを見つけた。こんな息子2人の行動を父が見ていたらたぶん涙涙の大騒ぎだったかもしれない(←歳と共にかなり涙もろくなっているらしい)。

とにかく、見終わって、当時の日本のやる気というか、これからだーという気合というか、ガンバルゾって気持ちがすごい伝わる。決して現在のダラダラ感も荒廃感もない。貧乏だし、明るい未来も見えてないけど、頑張るっかないし、希望は捨てちゃなんねぇだ!っていう想い。映画上の建前の気持ちじゃなくて、スクリーンから漂ってくるその土地の情勢がそう感じさせるようだ。日本映画でここまで素直に見させてくれた映画は珍しい(ワタシが知ってる狭い範囲の限りでは)。吉永小百合さんの映画はろくなのを見てないが、彼女を崇め奉るサユリストたちの気持ちが少しわかったような気がした。父は果たしてサユリストなのかどうか知らないが、自分も歳をとったとき、「広末さんっていう美人な女優がな〜」と遠い目をして息子らに語る日がくるのだろうか。また、そんな父を見て息子は何と思うのだろうか。『20世紀ノスタルジア』を見て「丸いな」とか言うようなもんなら息子だろうが娘だろうがコロス。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (6 人)寒山拾得 りかちゅ[*] 新町 華終[*] ジェリー[*] sawa:38[*] 水那岐[*]

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