[コメント] めまい(1958/米)
一番の「めまい」どころ、それは、夥(おびただ)しい悲恋の渦。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
●映画の後半で、ジェイムズ・スチュワートとキム・ノヴァクが深い森で大木の年輪を数えるシーン。大木の年輪の、あの地点からこの地点までに、木が成長するまで、どれだけの数の恋人たちの悲恋が、そして、狂おしいまでの想いが存在したのだろうか。しかも、世代を超えて。永久に。暗く、蕭然(しょうぜん)とした撮影も効果的で、慄然とした名シーン。
●唐突に悪夢を、「アニメーション」する演出に舌を巻いた。「顔が、顔が、迫って来る!」ちょっと、観た事のないサスペンス!鑑賞した夜の夢に正確に、同じ夢が出てきた!「恐怖、恐怖だ。」
●遠景の金門橋と、緑の完璧に上を向いたキム・ノヴァックの胸のシルエットの取り合わせか、シュールで美しい。素晴らしく完璧な構図。映画って、細部に神が降臨するね!
とにかく、巨匠ヒッチコックの作品群のなかでも、別格で、比類のない静かな佇まいをもつ、不朽の名作です。
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