[コメント] レディ・プレイヤー1(2018/米)
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いや〜もう大好き。何がいいかって、監督が何より仮想世界のほうが断然好きで、これを描きこむためにこの作品を撮ってるのがわかるから。荒廃した社会の背景とか、それこそ最後の「現実のほうが大事」なんて教訓は、大人の事情で言ってるだけで、コーラにポテチだけじゃなく、ちゃんと週に2日は手料理も食べるんだよ、なんて言ってはみるけど、ほんとはコーラとポテチのほうがおいしいよね!って言ってるのが伝わってくるから。
逆にこの手の話を文明風刺的な視点で描く方が誰にでもできそうだし、発想が凡庸な気がする。こんな手放しにバカみたいにゲームの世界を高い技術とお金を描けて作っちゃえるのって、スピルバーグのネームバリューだから許されるし、その唯一それが許される立場の他でもないその人がちゃんとこう作ってくれることがありがたい。才能のあるオタクが成功してお金持ちになって、それなりに文芸的な作品でも賞をとった後からでも、こんなオタク最強、ポップカルチャー万歳なんてスピルバーグ以降の監督で撮れそうな人っているのかしら? むしろそっちのほうが心配。
IOIの社員が赤く発光してフロアでなぎ倒されたり、TVゲームで失敗して氷が割れて水没したりとか、バカみたいな絵づらで最高に楽しい。セカンドステージの『シャイニング』のホテルセットの再現力とかが、オタクが納得できるだけの再現性が為されているところが、やっぱりスピルバーグのわかっているところで、それは何よりその対象への愛があるからなんだと思う。
『市民ケーン』と『素晴らしきかな、人生』の引用は、たまたま知ったのだけど、スピルバーグの映画自選ベスト10に入る作品だからみたい。原作にはないだろうし、やりたい放題で羨ましい。-1点の理由は、作品でも「評判が悪かった」と紹介していたけれど、オアシスを2日休みにした結論に対して笑。アルテミスの仕草はかわいく表現できていたし、現実のサマンサもいい感じだった。
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