[コメント] ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012/日)
冒頭の奪回戦では、受け手の感傷と劇中のアクションがリンクしない。劇中の人間には目的がある。わたしたちは、その目的やキャラの人間性に共感して初めて、活劇を自分のものとして把握できるのだが、この場面では、共感の手掛かりとなるような情報が開示されない。
開示されないことで、興味を牽引する手法の方に重きが置かれている。だが、これはうまくいっていないように思う。他方、アスカの造形が整理されている点は気に入った。メガネに「姫」呼ばわりされたり、最後には「助けてくれないんだ。私を」と照れもせず本音を出したりと、これは媚ではあるが、しかし、この造形解釈には語り手の好ましい人間性が現れているようだ。
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